『PSYCHO-PASS サイコパス』 塩谷直義 監督 インタビュー 後編 | アニメ!アニメ!

『PSYCHO-PASS サイコパス』 塩谷直義 監督 インタビュー 後編

■ “数値化した社会”これが今回の『PSYCHO-PASS サイコパス』 >■ 「ハッピーエンドがハッピーエンドじゃない」、そうしたストーリー

インタビュー
注目記事
塩谷直義 監督
  • 塩谷直義 監督
  • 『PSYCHO-PASS サイコパス』(c)サイコパス製作委員会
■ “数値化した社会”これが今回の『PSYCHO-PASS サイコパス』

―――― AA
監督は『PSYCHO-PASS サイコパス』が初のテレビシリーズ監督になります。そもそもの企画の成り立ちはどのようなものだったのでしょうか?

―――― 塩谷 
本広さんと最初にお会いしたのは3年前です。プロダクション I.Gと本広さんでオリジナルのアニメができないかという話があった時に、監督として僕の名前が紹介されました。
そして途中で虚淵(玄)さんに合流していただいたんです。

―――― AA
そこではどんな話をされたのですか?

―――― 塩谷
本広さんは、“ロボットもの”、“警察もの”と提案していて、ロボットを登場させた未来版『パトレイバー』を出来ないかという事だったのですが、それだけですと『パトレイバー』になってしまいます。
そこで違う要素として、“精神が数値化した社会”が新しいキーワードとなりました。それが今回の『PSYCHO-PASS サイコパス』です。

―――― AA
ブレインストーミングを本広総監督と進めているなかで、キャラクター原案の天野明さん、ストーリー原案・脚本の虚淵玄さん、世界観設定の平田秀一さんとすごいスタッフが集まってますね。

―――― 塩谷 
この座組みでしか出来ないことがありそうだと思いました。ほかの現場スタッフに関しても、映像や演出で表現したいもの、作品が持っている重さを設定に落とし込むにはこの人でなければ、とお声がけさせていただいています。

―――― AA
スタッフクレジットには、本当に驚かされました。

―――― 塩谷 
天野さんの原案の絵に虚淵さんのストーリーが乗るのは、とても面白い要素だと思います。たぶん固定した枠に収まらない、イメージしたものとはまた違った物語になっていると思います。

motohirokantoku■ 「ハッピーエンドがハッピーエンドじゃない」、そうしたストーリー

―――― AA
『PSYCHO-PASS サイコパス』が、これまでのアニメと一番違うところは何になりますか?
何かに挑戦するという気持ちはありますか?

―――― 塩谷 
挑戦してやろうというよりは、人間ドラマを濃厚にしたいです。
「ハッピーエンドがハッピーエンドじゃない」というような、解決し、幸せになることだけが救いでない、そんな部分を感じて頂きたいです。

近未来を舞台にしているSFではあるのですが、全て現代社会にも置き換えられる事件やドラマでもあるんですよ。数値化された世界という点では、現代にもそういう縛りはありますし。縛りがあるけれども、生きていかなければいけない。
そして、間違っているかもしれない社会だけれど、でもそれを壊したら誰が責任を取るんだといったところも『PSYCHO-PASS サイコパス』には出てきます。

―――― AA
矛盾をはらんだ社会を描くのでしょうか?

―――― 塩谷 
システムとしては間違っているかもしれないけど、うまくいっている。何を平和や幸せとして受け取るかに、主人公たちが問題点としてぶつかっていく、ハードな内容になると思います。
本広さんも、虚淵さんも、僕も、そうしたテイストを、かなり詰めて話して形にしてきました。ハードになっているところを、天野さんのデザインですごく緩和していただいています。より幅広く作品を見て、受け入れていただけるのではと思っています。

―――― AA
総監督は実写監督の本広克行さん、キャラクター原案に人気マンガ家の天野明さんです。作品をアニメファン以外に広げていくことは考えていますか?

―――― 塩谷 
アニメーションでしか表現できないものを、オリジナルのアニメにして『PSYCHO-PASS サイコパス』としてやります。
一方で、アニメでしか出ないようなスーパーヒーローも出て来ません。リアルな問題を抱えている登場人物たちのお話になっています。芯のしっかりしたドラマになっていると思います。

―――― AA
最後にこれから作品を観るファンにメッセージをいただけますか。

―――― 塩谷 
1話完結ものというよりもいろんなものがつながって、全体で見るとひとつの軸になります。あの時の伏線がここに反映されていたりという、見逃せない展開になっています。
どんどん刺激し合って、話数が進むにつれそれぞれ相乗効果で盛り上がっていく展開です。1話も目が離せない濃い内容になっていますので、楽しんでいただけたらと思います。

―――― AA
本日はどうもありがとうございました。

motohirokantoku

<写真撮影>新妻和久

『PSYCHO-PASS サイコパス』
フジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜、ほか各局でも放送中
/http://psycho-pass.com/
/http://facebook.com/psychopasstv
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集