マンガ家の大友克洋さんの長年にわたる創作活動が、米国のコミック業界で大きな評価を受けた。米国の「コミックの殿堂(The Will Eisner Award Hall of Fame)」に大友克洋さんが加わることになった。
7月13日、米国サンディエゴ市で開催されたアイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Award)の授賞式にて、2012年のコミックの殿堂入りが発表された。アイズナー賞は米国のコミック業界が選ぶ賞で、同国で最も知られたコミックの賞である。
当初、発表のあったコミコン・インターナショナル(サンディエゴ・コミコン)の公式ゲストにも招かれた大友克洋さんだが、その訪米は事前に中止となっている。このため残念ながら大友さん自身は、授賞式には姿を見せなかった。それでも米国の多くのコミック関係者がこの授賞を祝福した。

コミックの殿堂は1987年にスタートした。コミック業界の関係者により選考されるが、ウィル・アイズナーをはじめ、スタン・リー、メビウス、ウィンザー・マッケイといった歴史的な名前が数多く並ぶ。
日本からのコミックの殿堂入りは、これまでに2002年の手塚治虫さん、2004年に『子連れ狼』の小池一夫さん、小島剛夕さんのみである。日本からの選出は8年ぶり4人目となるが、海外から殿堂入りするアーティストは少ない。
また、コミックの殿堂入りは、近年は選考委員会が事前に選出する2名と十数人にのぼる候補者の中から業界関係者の投票で4人を決めるふたつの方法を取る。大友さんはこの投票で選ばれた初めての日本のアーティストでもある。それだけ業界関係者から評価されているとも言える。

また、本年のアイズナー賞では、国際賞アジア部門(Best U.S. Edition of International Material—Asia)で水木しげるさんの『総員玉砕せよ』(Drawn & Quarterly刊)が受賞した。本作は、フランスのアングレーム国際コミック(バンドデシネ)フェスティバル(Festival International de la Bande Dessinée)での遺産賞に続き海外の大きな賞に輝いた。
ベストコンテニューシリーズ賞(Best Continuing Series)5つのノミネート作品の中に選ばれていた浦沢直樹さんの『20世紀少年』は受賞を逃した。また、国際賞アジア部門には、『総員玉砕せよ』のほか、『乙嫁語り』(森薫・Yen Press)、『神の雫』(原作:亜樹直、作画:オキモト・シュウ・Vertical)、『土星マンション』(岩岡ヒサエ・VIZ Media)、『星守る犬』(村上たかし・NBM)、『放浪息子』(志村貴子・Fantagraphics)がノミネートされていた。

アイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Award)
2012年受賞リスト
http://www.comic-con.org/cci/cci_eisners_main.php



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