冬目景原作のマンガ『羊のうた』のTokyopopによる実写化映画企画が発表されたのは、2006年秋の東京国際映画祭TIFCOMの場であった。その後、この映画化企画の動静はあまり語られることがなかったが、企画は実現に向けて少しずつ進んでいるようだ。 米国映画業界情報サイトハリウッド・レポーターの3月19日の報道によれば、Tokyopopは現在も複数の日本の映画会社と交渉中であるという。 ハリウッド・レポーターは、香港国際映画祭の映画企画にマーケットに参加したTokyopopのスチュアート・リビー社長の言葉を伝えている。これによれば、『羊のうた』は3D映画になる、製作予算は6億円以下、監督には日本の映画監督で映像効果の専門家でもある秋山貴彦氏を想定しているということである。 秋山貴彦氏は、2004年のファンタジー映画『HINOKIO』で知られており、『河童』や『『FINAL FANTASY』のVFXなども手がけている。 Tokyopopは北米地域における日本マンガの出版ビジネスのパイオニアとしてマンガ業界では知られている。 しかし、現在世界市場での日本マンガ出版の競争は激化しており、同社の最近のビジネスの関心は同社がグローバル・マンガと呼ぶ日本人以外が書くマンガスタイルの作品である。さらに、そうした作品を原作にする映像ビジネスにもより深い関心を寄せている。 同社は現在複数の日本及び海外マンガの実写化企画を抱えるが、現在はそのほとんどが企画段階で、有力なパートナーを探しているところのようだ。そうしたTokyopopの企画の中には、日本の塩崎雄二氏原作の『一騎当千』、マンガスタイルの海外作品『プリンセス・アイ物語』などがある。 こうした多くの企画のなかで吸血鬼、ホラー、そして深遠な物語といった映画会社にアピールする要素が一番多いのが『羊のうた』である。映画の監督も既に想定されていることなど、同社の企画のなかで『羊のうた』が一番実現性のある企画と言えるだろう。 昨年来、日本のマンガやアニメを原作とする大型実写化企画が海外で相次いでいる。しかし、そうした作品の多くは、ハリウッドメジャースタジオと有名プロデューサーが組んだものである。そして製作予算は数十億円から100億円を超えるビックプロジェクトが多い。 日本マンガの出版から始まったTokyopopは、そうした中で異質な存在である。また、6億円以下の予算で製作というのも新しい考え方である。もし、企画が実現すれば、Tokyopopにとって、また新たなビジネスの変革になるに違いない。ハリウッド・レポーター /http://www.hollywoodreporter.com//Levy ready to supply Japan 3-D当サイトの関連記事/TOKYOPOP 羊のうたの実写映画化企画発表Tokyopop /http://www.tokyopop.com/
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