3DCG版ガイキング始動! 「Light Stageで色んなものがひとつに」 | アニメ!アニメ!

3DCG版ガイキング始動! 「Light Stageで色んなものがひとつに」

東京国際アニメフェア2010の開幕前日、東映アニメーションが『GAIKING』の新作パイロット映像を公開すると発表し、衝撃を与えた。この『GAIKING』は、同社がテレビシリーズなどで展開してきた『大空魔竜ガイキング』の3DCG版である。

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 東京国際アニメフェア2010の開幕前日、東映アニメーションが『GAIKING』の新作パイロット映像を公開すると発表し、衝撃を与えた。この『GAIKING』は、同社がテレビシリーズなどで展開してきた『大空魔竜ガイキング』の3DCG版である。
 パイロット映像は約2年をかけて制作された。使用される技術は、Light Stage。このLight Stageは、これまで開発が続けられてきたモーションキャプチャー技術だ。2004年の『スパイターマン2』から最近の『アバター』に至るまで、数々のハリウッド映画で使用されているが、特に人間の顔の表情までも仔細に再現することが出来る利点があることから重宝されている。今年の第82回アカデミー賞においては、アカデミー科学技術賞も受賞している。

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 東京国際アニメフェア2010の最終日である3月28日には、開発者のジュールズ・アーバック氏とクレイ・スパークス氏が来日した。しかも、この日に東映アニメーションが自社ブースで行うこのイベントの持ち時間30分のためだけに来日したというから驚きだ。
 当日は来日した2人と同社のプロデューサーである池澤良幸氏が登壇した。パイロット映像を見た後、「多分みなさん、これ『実写とCGを一緒にしただけでしょ?』っていう風に思われるかも知れませんが」と池澤氏は始めた。
 「映画の制作、映像制作のところでは次の世代に入っております。アニメーション会社がCGを作るのかっていう風な疑問があるのかも知れませんけど、実はこのLight Stageという技術で色んなものがひとつになる可能性を秘めてまして、そこのところで何か一緒に出来ないかという風なところからこのプロジェクトを始めてった流れになっております」。

 続いて「Light Stageって技術なんですけれども、もともとジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグなどが出身の南カリフォルニア大学の技術開発として始まりました」とジュールズ・アーバック氏が話を進めた。
 「『スパイダーマン2』、『ハンコック』、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』など、様々な映画でこの技術が応用されてきました。今までの映画の中で、高度な技術が要求されるところにLight Stageの技術が応用されてきたわけですけども、今回の『GAIKING』では、この技術が長編映画で出来るところまで対応出来るようにとのことで新たに開発されたものとなっております」と、Light Stageの概要を示す映像を見ながら説明した。
 それからクレイ・スパークス氏が「今回、東映アニメーションの方から『GAIKING』のフルサイズということで色々な資料を出して頂きました。おもちゃの大きいサイズのモデルですとか、書かれたものの資料ですとか、原案のところで忠実になるように考えていました」と『GAIKING』の3DCGモデルから輪郭線をレンダリングして回転させた映像を見ながら解説を加えた。
 「そこで修正が必要になるところ、部分的な直しが必要なところで手を加えていきました。出来上がってきたものを、実際にCGのビルの中にですね、細かい部分とかを加えていって、最終的にリアルに見えるようなものをということでデザインを仕上げていきました」。
 イベントの30分は慌ただしく過ぎ去り、ジュールズ・アーバック氏とクレイ・スパークス氏は足早に会場を後にした。

 東映アニメーションのブースでは会期中連日、この『GAIKING』のパイロット映像は非常に高い関心を持って来場者に迎えられていた。なお、Light Stageのこれまでの概要については、南カリフォルニア大学がYouTubeで公開しているので、そちらで確認することが可能である。
【真狩祐志】

USC ICT /http://www.youtube.com/user/USCICT
東映アニメーション /http://www.toei-anim.co.jp/

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