文化庁メディア芸術祭開幕 アニメ・マンガの原画や設定も | アニメ!アニメ!

文化庁メディア芸術祭開幕 アニメ・マンガの原画や設定も

東京六本木の国立新美術館で第13回文化庁メディア芸術祭が開かれる。公開に先立って、2月2日には六本木・東京ミッドタウンで、本年の受賞者の贈呈式も行われた。大型イベントのオープニングを飾った。

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MEDIA20100.JPG 2月3日から、東京六本木の国立新美術館で第13回文化庁メディア芸術祭が開かれる。公開に先立って、2月2日には六本木・東京ミッドタウンで、本年の受賞者の贈呈式も行われた。大型イベントのオープニングを飾った。
 また、この日会場ではマスコミ取材などのための内覧会なども行われ、ジャンルを超えたおよそ180点にも及ぶ作品が紹介された。作品は人間が中に入ると内部で発泡スチロールが舞うアート部門優秀賞「Nemo Observation」の巨大なシリンダーから、携帯コードだけが展示された携帯マンガまで驚くほど多様性に満ちていた。

 それはアニメーション部門だけを取っても同様だった。同じアニメーション映像作品ではあるが、それぞれが異なった個性を持っている。伝統的な2Dセルスタイルの大賞受賞作『サマーウォーズ』から、ストップモーションの『屋根裏のポムネンカ』や『電信エレミの恋』、そして絵の動き、変化していく素晴らしさを表現した『アニマルダンス』などが並んで展示されている。
MEDIA20101.JPG 通常はあまり横に並ぶことのない種類の、しかもそのトップレベルの作品が同時に見られるという面白い体験を出来る。映像だけでなく制作素材も展示しており、これが圧巻である。例えば『東京マグニチュード8.0』のレイアウトは、この作品の映像のクオリティが設計段階の緻密な創造によって支えらていることを見る者に伝える。
 『屋根裏のポムネンカ』の人形や『The Cable Car』の背景などは、海外トップクラスのアニメーション作家・スタジオのレベルの高さ、情熱を感じることが出来る。

 マンガ部門では、現在ではほとんど公開されることがない連載中の作品の生原稿、ネーム、原画が次ぎ次ぎに現われる。ファンならずとも、思わず感嘆の声をあげてしまうに違いない。
 こうした展示は単に珍しいものを披露するということでなく、創作の実際を紹介する目的がある。そうした意味でも、同業者やクリエイターを目指す人には、さらに大きな意味があるだろう。

MEDIA20102.JPG また、最後に是非見ておきたいのは、特別功労賞故金田伊功さんに関する展示である。略歴や代表作品の一覧にとどまらず、映像や絵コンテでその作品世界が紹介されている。スクウェア・エニックス時代の絵コンテや映像は、古い作品よりかえって観る機会がないだけに興味深い。
 そして生前の愛用の品々や構想メモなど、金田伊功さんの創作に関わる縁の品は訪れる人たちの心を動かす力があるものだ。

第13回文化庁メディア芸術祭 /http://plaza.bunka.go.jp/festival/
《animeanime》
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