東映アニメ新作映画「虹色ほたる」 監督がフランス講演 | アニメ!アニメ!

東映アニメ新作映画「虹色ほたる」 監督がフランス講演

 長年ヨーロッパで活動する東映アニメーションは、ヨーロパのアニメーションビジネスの中で最も存在感のある日本のアニメ製作会社だろう。6月8日から13日まで、フランスで開催されている世界最大の国際アニメーション映画祭アヌシーでもそれは同様であった。
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 長年ヨーロッパで活動する東映アニメーションは、ヨーロパのアニメーションビジネスの中で最も存在感のある日本のアニメ製作会社だろう。6月8日から13日まで、フランスで開催されている世界最大の国際アニメーション映画祭アヌシーでもそれは同様であった。
 今回の映画祭で東映アニメーションは『うちの3姉妹』をテレビアニメーション部門に公式出品するほか、番組見本市MIFAでも唯一日本企業として単独ブースを出展している。ヨーロッパ地域のビジネスに積極的に取り組む姿勢を見せていた。

annecy-toei.JPG そうした活動のひとつが、6月12日午前中に行われた「Work in Progress」での『虹色ほたる 永遠の夏休み』の制作プロセスの紹介である。宇田鋼之介監督が登壇し、作品の魅力と制作の進め方などを語った。
 これは6月11日に行われたマッドハウスによる『チベット犬物語』に続くものである。数多くあったアヌシーの企画の中で、日本人のスタッフが壇上にあがった数少ないものである。

 今回取り上げた作品は、今年3月の東京国際アニメフェアの東映アニメブースでタイトルと製作決定のみが明らかにされていた。今回は、それよりもさらに深い内容が紹介された。
 原作はインターネット発の小説で、川口雅幸さんが書いたものである。30年前にタイムスリップした主人公ユウタとそこで出会った子供たちを主人公とするファンタジーだ。

 監督は非常に長い原作をどのようにまとめるか苦労したという。その一方で、テレビ番組からではない劇場オリジナルの企画にのびのびと制作出来ると意欲的に取り組んでいる様子であった。
 また、作品のテーマはノスタルジーとしている。30年前の日本を舞台としているが、ダムに沈む山間の村が舞台ということもあり、それよりもさらに古い時代を感じさせる。

 講演では、一部動画もはいったパイロット版も公開された。また、最終決定のものではないとしながらも、キャラクター設定も披露された。森久司さんが手がけるキャラクターデザインは、近年の東映アニメの作品には見られないリアル志向なものになっている。
 こうしたキャラクターデザインや物語設定は、フランスのアニメーション関係者にも強い印象を残したのでないだろうか。これまで多くのフランス人が知る東映アニメ作品とは異なるタイプの作品だからだ。特に、監督紹介での作品が劇場版『ワンピース』、『ラブ★コン』であればなおさらだ。

 日本のアニメファンには、東映アニメは『白蛇伝』以来の長編アニメの伝統でも知られている。しかし、フランスでは『ドラゴンボール』や『ワンピース』といったテレビシリーズがよく知られているだけに、驚きを与えたと思われる。
 しかし、会場の雰囲気は好意的であった。特に監督がスライドで用意したイメージボードのイラストレーションが、講演の間、そして質問コーナーで大きな関心を呼び質問が相次いでいた。美術への興味が高いようだ。
 この質問コーナーでは、気になる劇場公開についても触れられていた。監督によれば制作はやや遅れており、2010年夏以降と述べられるに留まった。

アヌシー国際アニメーション映画祭 
/http://www.annecy.org/home/index.php?Page_ID=2
東映アニメーション 
/http://www.toei-anim.co.jp/
『虹色ほたる 永遠の夏休み』(原作)
/http://b0d.hp.infoseek.co.jp/nijiiro/nijiirohotaru-top.htm
《animeanime》
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