「刀剣乱舞」シナリオ担当・芝村裕吏が語るキャラクター設定とは | アニメ!アニメ!

「刀剣乱舞」シナリオ担当・芝村裕吏が語るキャラクター設定とは

イベント・レポート

様々なコンテンツを「文化史」という枠組を用いて研究するコンテンツ文化史学会は、2015年第1回例会「歴史的遺物とコンテンツ」を日野市東部会館で行いました。
本例会では歴史的遺物の一つ「刀剣」をモチーフとしたソーシャルゲーム『刀剣乱舞 -ONLINE-』(以下、『刀剣乱舞』)を題材に、吉田正高会長の司会のもと、『刀剣乱舞』のシナリオ・設定を手掛けた芝村裕吏氏、学術研究の代表として新撰組史料の専門家である松下尚氏、消費者、ユーザー代表として歴ドルの遠野ゆきさんがパネリストとして登壇し両者の関係を様々な角度から議論しました。刀剣乱舞の制作秘話も飛び出した本イベントをレポートします。

■ 妄想の余地が多くの女性に受け入れられた

会場に集まったのは9割が若い女性。もちろん「審神者」であるご様子。午前中のエスカーションでは土方歳三資料館で実物の和泉守兼定を見学する予定も組まれており、ほとんどの参加者が午前中からの参加となりました。
まず登壇者唯一の女性である遠野ゆきさんがコンシューマの目線からその魅力を分析。「キャラクターが歴史上の人物ではないから、歴史的背景を知らなくても楽しむことができる。擬人化も素直に捉えることができるのではないか」と分析しました。
さらに、今まで誰も刀に対し「これだ」という価値観を植え付けておらず、ゲーム上では足りない設定やキャラクター同士の会話を自由に補完することができる点も女性に受け入れられる要素であると分析しました。

■ 十人十色の好みを踏まえたキャラクター設定

次に実際に実装する刀剣を選定し、キャラクター設定やシナリオを手がけた芝村氏が『刀剣乱舞』を手がけかきっかけから順に語りました。
もともと刀剣について詳しかった芝村氏。自身の家で「刀は人格を映すものだ」と言われてきたことを語り、「刀剣の拵え(こしらえ)を見ればその人の経済事情が手に取るようにわかるし、年を取れば重い刀を差すのが辛くなるので、重さでその人の年齢もわかる」と説明。まさに刀は持つ人そのものであると言います。

それを踏まえ刀剣にキャラクター付けをするわけですが、女性向けゲームと謳うわりに『刀剣乱舞』に登場する刀剣男士はイケメン揃いというわけではありません。その理由には芝村氏が長年の経験で導き出した法則があるのだと言います。
「男性は誰もが納得する理想的な女性像を10回統計をとれば導き出すことが可能だったけど、女性の場合は収束しなかった」そうです。女性にとって理想の男性像は十人十色。そこで芝村氏は、「男性キャラクターに美形はいらない」という結論に達したのだとか。「とはいえ、刀剣は美しいものだから美形にはしたかった。でも、これが刀剣乱舞の美男子だ!と推すことはない」と語ります。

■ 『刀剣乱舞』は日本そのものを扱っている

その後も芝村氏独自のシナリオ・キャラクター理論が展開されます。まず多くの刀剣を見てひよこの選定のようにオスメスに分ける。そうしてオスに分類された刀剣にキャラクター付けしていったそうで、その数は100人以上に及ぶのだとか。まだまだ実装されていない刀剣が多数存在することがわかり、会場からは歓喜の声があがりました。
「現存しないものを入れるか入れないかではスタッフ間でも揉めました」と芝村氏。「取材したときに、最初は整備の記録や史実に残っているもののみで話を進めていました。だけど架空の剣も入れないとイメージを生成できなかった。『刀剣乱舞』は刀というよりも日本そのものを扱っているのです。日本という国が持つイメージに寄りそうには、架空の剣も入れなければならなかった」と語ります。

[/INSIDE より転載記事]
《みかめ@INSIDE/inside-games.jp》
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