コ・フェスタフォーラム in TGS2007 テレビ×ゲーム×アニメでコラボ | アニメ!アニメ!

コ・フェスタフォーラム in TGS2007 テレビ×ゲーム×アニメでコラボ

イベント・レポート

 コ・フェスタフォーラム in TGS2007は、JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)のイベントとして東京ゲームショウと連動して開催された。
 今回3つのセッションが設けられたが、なかでも「メディアミックスでコンテンツを展開し、収益機会を増すための心構えとは?」は、テレビ、ゲーム、アニメ・キャラクターの異なる分野を代表するゲストを招いたコ・フェスタらしい企画である。
 ゲストはソニー・ピクチャーズ エンタテインメントテレビの滝山雅夫氏、セガのクリエイティブオフィサー名越稔洋氏、小学館のプロデューサー久保雅一氏である。

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アニメの権利処理は実写に較べて判りやすい
 セッションのタイトルはコンテンツのメディアミックスであるが、ゲームの名越氏やキャラクターの久保氏がコンテンツを作る立場にあるのに対して、滝山氏の関わるソニー・ピクチャーズテレビとアニマックスは自らコンテンツを創り出すわけではない。
 滝山氏はそうした立場を、映像を作る制作会社と放映する放送局の関係を主にアニマックスに絞って説明するところから始めた。

 アニマックスは、ソニー・ピクチャーズエンタテイメントのほかに、NAS、トムスエンタテインメント、サンライズ、東映アニメーションと日本を代表するアニメ製作4社が出資する。滝山氏によれば、テレビ局が制作を行わず、有力な制作会社から番組を調達する方法は、アメリカの大手ネットワークの放映ビジネスにモデルがある。

C×G2.JPG また日本のアニメはドラマなどの実写番組と異なり、権利構造がわかりよいのも海外の番組に近いという。これはアニメの制作コストが高く、放送だけでは制作資金回収が出来ないため、二次展開などのメディアミックスが発達した結果である。

 滝山氏は近年の日本アニメ海外進出は、作品の人気に加えて、こうした権利処理のやり易さも理由にあったと説明する。
 さらに、アニメーション作品の制作費が高いという構造が、放送の広告市場が小さい国の市場でのアニメビジネスの成長を妨げているという。日本とアメリカだけがそれを可能にする国内市場規模を持っており、この2カ国のアニメーションが世界を席巻する理由である。

 こうした状況を踏まえて放送の立場から世界を目指すには、市場性の高い作品を供給し、継続して番組を観てもらうことが大切、新しいマーケットを育てるには時間がかかると強調していた。
 世界進出の実現には、柔軟な権利構造とセールスプロモーションの充実、権利の集中が重要と指摘し滝山氏は講演を終えた。

日本とアメリカの方向性の違いが広がっている
 続いて講演を引き継いだ名越氏は、メディアミックスとしてのゲームは特に映画で親和性が高いとして自ら手がけている『龍が如く』を紹介した。
 しかしこうした映画とゲームの連動はアメリカのゲーム会社が得意とするもので、特にEAが映画とゲームを連動させることから始めたビジネスである。

 また、名越氏はそのアメリカでは日本のゲームの存在が小さくなっている現在の状況を説明する。ゲームにおける国内と国外の状況の違いが近年大きくなって来ていること、日本とアメリカの方向性の違いが明確になっていることに理由があるのでないかとする。
 このため全世界で異なったプラットフォームを使い、幅広い年齢に受け入れられたゲームを作ろうとしても、内容のぼけた作品になるので難しいという。近年話題になることが多いゲームの倫理観もとても曖昧で、こうした難しい状況を表すものである。
 
コンテンツビジネスは人の心が動かなければいけない
CXG.JPG 久保氏は『ポケモン』や『レイトン教授』を例に引きながら、メディアミックスについての現在考えられ枠組みを提示した。またコンテンツごとの市場動向を数字で示し、どのコンテンツが伸びており、一方で縮小しているのかを明らかにした。
 そしてインターネット(PC)や携帯がコンテンツの勝ち組なのだから、メディアミックスにはこうしたコンテンツをうまく組み込む必要があるという。

 しかし、こうしたビジネスストラテジーを解説しながらも、結局一番重要なのは優れたクリエイターの力を借りられるかであり、コンテンツが人の心を動かせるかどうかだともいう。
 コンテンツビジネスは人の心が動いた時に初めて動くものなのだ。そうした久保氏の言葉は、あらためてコンテンツビジネスの難しさを感じさせるものであった。

コ・フェスタフォーラム in TGS2007
「メディアミックスでコンテンツを展開し、収益機会を増すための心構えとは?」


滝山雅夫
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントテレビ部門日本代表
兼アニマックスブロードキャスト・ジャパン代表取締役社長

名越稔洋
セガR&D クリエイティブ オフィサーCS統括本部国内CS事業部
CS開発統括部副統括部長 兼NEソフト研究開発部長

久保雅一
小学館キャラクター事業センターセンター長

モデレーター
降旗 淳平
日経ビジネスアソシエ副編集長

コ・フェスタ  /http://www.cofesta.jp/
東京ゲームショウ2007  /http://tgs.cesa.or.jp/
《animeanime》
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