発表会ではバンダイ代表取締役社長で「チーフ・ガンダム・オフィサー」の上野和典氏が挨拶を行った。「ROBOT魂」を展開するコレクターズ事業部は、バンダイの11番目の事業部として、2008年4月に発足したばかりである。上野氏はコレクターズ事業部が担当する大人向けの玩具市場は、フィギュアだけでも250億市場と見られており、各社が参入し現在活況であると分析する。一方でこの市場はユーザーの目が厳しく、選別投下する必要があると語る。「ROBOT魂」はその新スタンダードにしていきたいと語る。

「ROBOT魂」は12cmのサイズで、CADによる3D設計と熟練の職人の手によるモデリングを行っている。硬・滑・柔をコンセプトに、外装は硬質プラスチック(ABS)、ボディに軟質プラスチック(PCV)、関節部分にはPOMを使用し、仕上がりと重量感、遊びやすさを兼ね備えている。
ハイエンドモデル「超合金魂」と同じ製法を使った高品質をうたうが、ラインナップの定価は3000円以下に抑えられている。
「ROBOT魂」の立ち上げとなる商品は、10月から第2シーズンが放送される『機動戦士ガンダム00』の主役機『ダブルオーガンダム』と『アリオスガンダム』である。その後、『グラハム専用ユニオンフラッグ カスタムII』、『ケルディムガンダム』、『セラヴィーガンダム』が予定されている。
このほか歴代のガンダムシリーズや、『コードギアス反逆のルルーシュR2』や『交響詩篇エウレカセブン』、『マクロスF』のタイトルからもラインナップされる予定である。

発表会では『機動戦士ガンダム00』のメカニックデザインを担当した海老川兼武氏と柳瀬敬之氏、バンダイコレクターズ事業部「ROBOT魂」開発担当の田中宏明氏が登壇し、トークセッションを行った。
海老川氏は第2シーズンのモビルスーツのコンセプトを格闘家のようなマッシブさを目指したという。実際に立体化された商品のポーズの付けやすさや、動きやすさに満足の様子である。
柳瀬氏はギミックを多く入れた部分の再現度が高いことに驚いた様子だ。顔を含めパーツがそれぞれしっかりしていると話す。第2シーズンでは、これまで以上にモビルスーツを動かしていくが、フィルムと同じようにフィギュアも再現できるだろうと話す。
田中氏はデザインのコンセプトが明確で、何度も打ち合わせを重ね、作り手としてチャレンジしていくつもりであたったという。
今後の要望として、海老川氏は「第1シーズンの4機を加えて欲しい」と語る。柳瀬氏は「量産機が好きなので敵のラインナップを入れて欲しい」と話した。
その後、ロボット・トイ トークセッションとして、スペシャルゲストに小説『機動戦士ガンダムUC』を執筆する福井晴敏氏が登壇し、コレクターズ事業部・企画開発チームマネージャーの泉勝洋氏と対談を行った。
福井氏は、想像上のロボットフィギュアには、スケールモデルの他の模型とは異なり、精密さで終わりがない点を挙げる。1968年生まれの福井氏はガンダムブーム、ガンプラブームと共に育ってきた世代。
ガンダムをはじめとしたロボットを、もっと手に取りやすい世代だという。ロボットフィギュアはボトルシップに替わるものになるはずと話す。

泉氏は「ROBOT魂」と名付けた理由について、メカデザイナーのカトキハジメ氏が度々語る「ロボット魂」という言葉から採ったという。
敢えて、「モビルスーツ」や「ナイトメア」という名前を付けず、ロボットの良さを再確認して貰うために名付けた。ロボット好きの大人が公言できるような良い商品を、肝に銘じて製作していくと語った。
バンダイホームページ /http://www.bandai.co.jp/
ROBOT魂 〈SIDE MS〉
№0001 ダブルオーガンダム
価格: 2625円(税込)
発売日: 2008年10月下旬発売予定