押井守監督 アニメフェアで 「スカイ・クロラ」を語る | アニメ!アニメ!

押井守監督 アニメフェアで 「スカイ・クロラ」を語る

 3月29日、東京ビッグサイトの東京国際アニメフェアの会場で、押井守監督のトークイベントが開催された。このトークイベントは「押井守が生まれ変わる日」と題されて、8月2日に公開される『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』について監督が語るものである。
 昨年6月

イベント・レポート
注目記事
 3月29日、東京ビッグサイトの東京国際アニメフェアの会場で、押井守監督のトークイベントが開催された。このトークイベントは「押井守が生まれ変わる日」と題されて、8月2日に公開される『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』について監督が語るものである。
 昨年6月の映画の製作記者会見後、押井守監督が公の場に姿をみせるのが初めてということもあり、会場になった日本テレビブースは熱心なファンが集まり盛り上がった。

 まず、気になる『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の制作の状況だが、作品は現在オールラッシュを残すのみで、既にほとんど完成している。
 今までの作品のなかでは一番順調に制作が進んだほうだという。 

 作品の出来について監督は、かなり満足している様子であった。ファンにとってはこれからいよいよという感じだが、監督のなかの大きな仕事をやり遂げたという思いが強く感じられたトークでもあった。

 押井監督は、当初この映画の監督のオファーを断っている。映画の原作が一人称の作品で映像化のハードルが高いこと、主人公が若いこと、結末に納得がいかなかったことが理由であるという。
 しかし、作品に何か「におい」があり、引き受けることにした。監督によれば、自分に向いていないにも関わらず、こうした「におい」を理由に手がけた作品は成功することが多い。『機動警察パトレーバー』や『攻殻機動隊』など同じだったという。さらに若いキャラクターの映画を作れる最後のチャンス、という思いもあったようだ。

 今回の映画で押井守監督は変わったと称されてことが多い。しかし、監督によれば本質的に変わったのでなく、これは向いている方向を変えた結果だという。
 そのうえで、人は前向きにものを見ることを求められることが多いが、こうした様々な場所を見ることも必要でないかという自分の考えにつなげた。後ろを振り返り、後悔することもまた必要、辛いことがあるから生きている値打ちがある、そういったメッセージが映画に込められている。
 しかし、そうした思いはストレートに語られるのでなく、エンタテインメント作品のなかに横たわる考え方となるようだ。

 これまで『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の作品情報はあまり明らかになっていない。今回のトークでは、それについても幾つか語られている。
 そのひとつが、4月に発表されるボイスキャスト陣。主人公の声の担当は声優でなく、女優になる。名前こそ明かされていないが、誰でも知っている有名な女優であるという。

 これまで俳優を声優に使うことに懐疑的であった押井監督であるが、今回の配役は自分で思った以上によかったと満足している様子であった。
 およそ60人にも上る3ヶ月のキャスティング作業の末、最後に現れた女優だという。

 また、こちらも未だ公開されていないキャラクターデザインについては、たぶん多くの人が驚くかもしれないと語った。驚くかもしれないけれど、動き出してみるととてもいいのだという。こちらの公開も4月に予定している。
 キャラクターデザインを担当したのはプロダクション I.Gのアニメーター西尾鉄也氏である。映画の映像は、総作画監督も務めた西尾鉄也氏の絵で構成されているという。
 押井監督は西尾氏の仕事をよく頑張ってくれたと、非常に満足している様子であった。

 また今回のトークのあった日本テレビブースで目を惹いたのは、既に劇場やウェッブでも公開されている特報第2弾の作品映像だ。
 展示会場の高画質の大画面で紹介される画像の息を飲むような美しさに驚かされる。戦闘機内のメーターの質感、空を飛ぶ飛行機のリアル感、雲や煙の動き、ウェッブでは分からなかった映像のクオリティの高さがそこから感じとることが出来る。
 アニメの中には、大画面で観なければいけない作品が確実にあるが、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』は間違いなくそうした作品のひとつである。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers 公式サイト /http://sky.crawlers.jp/
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集