9月2日、パシフィコ横浜で開催されていたCEDEC(CESAデベロッパーズカンファレンス)2009は、今年のCEDEC AWARDSのプログラミング・開発環境、ビジュアルアーツ、ゲームデザイン、サウンド、ネットワークの5部門の発表を行った。また、既に発表されていた特別賞と著述賞を含めた全7部門の表彰式を開催した。 CEDEC AWARDSはゲーム開発技術の普及、産業の発展などを目的に、昨年スタート、今年で第2回目を迎える。ゲーム開発の進歩に功績のあった技術や開発者を表彰するものである。 開発技術を対象とする5部門では、事前に選考されていたノミネート候補から9月2日にそれぞれひとつの受賞者が選ばれた。 プログラミング開発部門は、「『ワンダと巨像』プログラミングチーム」が実現したリアルタイム変形コリジョンと、優れた描画表現技術である。ハリウッド映画化も噂される『ワンダと巨像』の評価の高さをあらためて印象づけるものとなった。 ビジュアルアーツ部門も、これまで高い評価を獲得してきた作品である。『大神』のアーティストとテクニカルアーティストによる「独創的な「墨絵」表現のゲーム応用」を選び出した。一般的には和風の表現のアイディアに目を奪われるが、CEDEC AWARDSではこれをトゥーンシェーダーによらない独自の技法を用いて実現したと技術面から評価する。ゲームにおけるビジュアルワークの存在感と可能性を再認識させたものだという。 ゲームデザイン部門は大ヒット作『モンスターハンターポータブル』開発チームを選んだ。ゲームにおける協力プレイを対象としたものだ。サウンド部門は「リズム天国ゴールド」開発チーム、「音ゲー」と呼ばれるゲームジャンルを、新たに「リズムゲーム」というステージに引き上げたことを理由に挙げた。 ネットワーク部門は、今回の受賞者のなかでも極めて異色となった。動画投稿、共有サイト「ニコニコ動画」の開発チームである。インターネットやモバイルで数多くのゲームが展開するなか、いわゆるゲームの範囲を超えたサービスを敢えて選び出している。 これについてCEDECは、「ニコニコ動画」はいわゆるゲームとは異なるが、ネットワーク上でユーザーがコンテンツを提供し、インタラクションを行うのは、広義のゲームと位置づける。新しい楽しみ方とバックエンド技術の積極的な公開による業界の貢献も高く評価されたかたちだ。 特別賞と著述賞は、業界の発展に貢献した個人賞の位置づけである。特別賞は今回CEDEC3日目の基調講演を行ったゲームデザイナー堀井雄二さんに贈られた。 『ドラゴンクエスト』シリーズのゲーム開発者として、堀井雄二さんの名前を知らない人はほとんどいないはずだけに誰もが納得の結果だろう。コンソールゲーム黎明期から、現在に至るまでゲーム開発に関わり、RPGのゲームデザインの基礎を確立したとCEDECは受賞理由を説明する。 著述賞も長年ゲーム開発技術に貢献してきたふたりが選ばれた。セガの平山尚さんは、『ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術』の著作で広く知られている。ゲーム開発現場からの技術解説は、ゲーム開発におきてバイブル的な存在となっている。 石田晴久さんは、ゲームの開発基盤となるプログラミング言語やUNIXの普及に大きな実績を残した。今年3月に逝去されたが、日本のIT界全体の草分けとして表彰された。CEDEC(CESAデベロッパーズカンファレンス)2009 公式サイト/http://cedec.cesa.or.jp/2009/index.html[CEDEC AWARDS2009 受賞者]【プログラミング・開発環境】「ワンダと巨像」プログラミングチーム(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント)■ リアルタイム変形コリジョンと、優れた描画表現技術。【ビジュアルアーツ】「大神」アーティスト、及びテクニカルアーティスト(株式会社カプコン)■ 独創的な「墨絵」表現のゲーム応用。【ゲームデザイン】「モンスターハンターポータブル」開発チーム(株式会社カプコン)■ 友人同士の協力プレイを活かしたゲームデザイン。【サウンド】「リズム天国ゴールド」開発チーム (任天堂株式会社)■ 丁寧な作り込みにより、「音ゲー」を、「リズムゲーム」という新たなステージに昇華させた。【ネットワーク】「ニコニコ動画」開発チーム(株式会社ニワンゴ)■ ネットワーク上での新しい楽しみ方の実現。【特別賞】堀井雄二 ゲームデザイナー【著述賞】平山尚 株式会社セガ石田晴久
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