スクウェアエニックスは、webマガジン形式のマンガ雑誌「ガンガンONLINE」を10月から開始する。スタートのラインナップは、『魔法陣グルグル』で知られる衛藤ヒロユキさんの『キタキタ』(仮題)『まほらば』で知られる小島あきらさんの新作などマンガ7作品が新連載される。 このほか、ライトノベルも3作品掲載する。さらに、10月からアニメがスタートする『黒執事』や『屍姫』、『天体戦士サンレッド』など合計5作品の外伝マンガやイラストが掲載される。 スクウェアエニックスは現在、定期刊行しているマンガ雑誌が4誌・増刊号が2誌あり、各誌から人気作家を集めた格好だ。 また、小説・ライトノベルについては現在定期刊行が行われていないことから、webマガジンで作家を育成していきたい考えだ。 今年に入り、「週刊ヤングサンデー」、「月刊マガジンZ」など、マンガ雑誌の休刊報道が相次いでいる。原因としては部数低迷によるものがほとんどである。 だからといって、これらの掲載作品が読まれていないわけでない。ファンは個別の作品の読者であるため単行本で購入する。発行部数が少ない雑誌の場合、最高人気作品の発行部数が雑誌のそれを上回ることすらある。 webマガジンの場合、雑誌としての発行コストを読者に負担させることなく、最新のマンガを定期的に届けることができ、ファンを作り単行本を販売して収益を上げるモデルを作ることができる。 しかし、これまでのwebマンガ雑誌は単体ではなかなか大きな成功を収められずにいる。双葉社の「COMIC SEED!」は今年6月に休刊し、「WEBコミックハイ!」に引き継がれた。 ソフトバンククリエイティブが雑誌「月刊少年ブラッド」と同時に配信を行っていたサイトは、「FlexComixブラッド」として「Yahoo!コミック」に組み込まれるなど、掲載媒体が流動的である。 「FlexComixブラッド」に掲載された作品の中には、『ヒャッコ!』などアニメ化される作品もある。雑誌と比べ、品質で劣るわけではない。 むしろPC向けwebコミックの課題点はインターフェースに課題点がある。携帯コミックはある程度統一的なインターフェースと読者を獲得し大きな市場を築いている。雑誌で実績がある「ガンガンONLINE」がどのように読者を獲得し、どのようなビジネス展開を行っていくのか、マンガ・出版・webコンテンツ業界の注目が集まる。ガンガンONLINE /http://www.square-enix.com/jp/magazine/ganganonline/