「ゴールデンカムイ」最終回ッ! 江渡貝くぅぅん、ラッコ鍋…変態たちの軌跡を今、振り返る―― | アニメ!アニメ!

「ゴールデンカムイ」最終回ッ! 江渡貝くぅぅん、ラッコ鍋…変態たちの軌跡を今、振り返る――

『ゴールデンカムイ』がついに最終回。野田サトル先生、長期連載お疲れさまでした!

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「ゴールデンカムイ」最終回ッ! 江渡貝くぅぅん、ラッコ鍋…変態たちの軌跡を今、振り返る――
  • 「ゴールデンカムイ」最終回ッ! 江渡貝くぅぅん、ラッコ鍋…変態たちの軌跡を今、振り返る――
  • ゴールデンカムイ1巻書影(著・野田サトル)出典:Amazon
  • 展覧会キービジュアル(C)野田サトル/集英社
  • アニメ『ゴールデンカムイ』(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

野田サトルによる冒険活劇マンガ『ゴールデンカムイ』が、「週刊ヤングジャンプ」22・23合併号にて最終回を迎えた。
本稿では、物語の終幕を記念し、本作の魅力やまつわるエピソードをあらためて振り返っていく。

■ゴールデンカムイとは


2014年8月より「週刊ヤングジャンプ」にて連載を開始した、野田サトルによる冒険活劇マンガ。2018年4月にはTVアニメ化を果たし第3期まで放送されるなど、不動の人気を博している。
明治時代後期の北海道を舞台に、網走監獄の死刑囚たちが隠した莫大な埋蔵金を巡る冒険を描いており、バトル、サバイバル、歴史、グルメといったバラエティに富んだ内容が特徴。また、緻密に調べられた「アイヌ文化」についての描写も本作の見どころのひとつである。2021年には第24回文化庁メディア芸術祭で受賞するほか、さまざまな漫画賞に取り上げられてきた話題作だ。

■クセ強すぎ!不死身、脱獄王、多種多様な変態が勢ぞろい♪


物語には数多くのキャラクターが登場。そのキャラクターたちは、全員キャラが立ちすぎているといっても過言ではない。
主人公の杉元佐一は、「不死身の杉元」と呼ばれる元大日本帝国陸軍第一師団の隊員。その異名のとおり、激しい戦闘に何度も巻き込まれるものの、死地に活路を見出し生き抜いていく。
その相棒となるのが、アイヌの少女・アシリパ。作中では彼女が、山での暮らしや狩猟、そしてアイヌ文化の案内人を担っている。食事に感謝する言葉「ヒンナ」、捕らえた肉や魚を小刀で細かく刻んだ料理「チタタプ」など、アシリパによるアイヌの知識は、ファンのなかでも馴染みある言葉になりつつある。
杉元は埋蔵金を手に入れるために、アシリパは父親を殺された仇を討つために行動を共にすることになるが、2人の絆は除々に深まっていく。お互いに信頼を寄せる2人の関係は、ときに少女マンガのような風を感じさせ、一部ファンも気になる動向となっている。

しかし、そのようなシーンは本作では数ページしか存在しない。2人は冒険のなかで、さまざまな人物に出会っていくからだ。
「脱獄王」の異名を持つ坊主頭のギャグ要員・白石由竹、300メートル以内なら確実に相手の頭を撃ち抜くこともできる孤高の山猫スナイパー・尾形百之助、筋肉質で胸毛が濃いマタギ(※東北地方の山間に暮らす狩人)・谷垣源次郎……といった面々が登場する。
彼らとは、ときに敵対関係にあり、はたまた手を組み衣食住を共にするなど、目まぐるしくパーティーが変動していくのが面白さのひとつ。また、欲情を抑えるため全力で相撲に取り組んだ「ラッコ鍋」、奇襲されて全裸で戦うことになる「露天風呂」、ロシア式蒸し風呂「バーニャ」など、人気の高いエピソードも生まれた。

そして、杉元と争うことになる鶴見中尉率いる第七師団。前頭部をプロテクターで覆った異様な風貌の鶴見中尉をはじめ、人皮のヘッドギアを被る二階堂、読者もドン引く方法で名推理する宇佐美、興奮すると早口の薩摩弁になったり猿叫(※古流剣術の気合い)してしまう鯉登など曲者揃い。さらに、鶴見中尉に異様なまでに心酔している者が多いのも特徴だ。

金塊の手がかりとなる刺青が身体に刻まれた24人の脱獄囚も変態ばかり。「脱獄王」の白石をはじめ、額にはんぺんのような四角いコブを持ち、「チンポ先生」と慕われる牛山辰馬。「勃起!」が口癖の凄腕猟師・二瓶鉄造。杉元に殺されたい願望を抱く連続殺人鬼・辺見和雄などなど……。
なかでも、地上波アニメとして放送もされなかった(単行本特典DVDとしてアニメ化)姉畑支遁の動物記は、読者に忘れられない衝撃を植え付けたであろう。
このほか、鶴見中尉に忠愛した剥製工房を営む職人・江渡貝弥作も人気を誇るキャラクターのひとり。人間の皮を使用して作られたコスチュームをまとい、嬉々としてファッションショーを披露する彼の姿は作中随一の胸躍るシーンだ。

■ファン心をくすぐる?「ゴールデンカムイ」の珍エピソード


『ゴールデンカムイ』の面白さは作中に留まらない。
まず、作者・野田サトルという人物。詳しい経歴は非公表であるが、Twitterなどではファンを謎の魅力に引き込ませている。
そのエピソードのひとつにあたるのが、休載する理由である。「狩猟のため」「試食のため」など一癖ある理由で、とくに「出産のためお休み」と発表されたときには、プロフィールに男性とあることからファンに混乱を招いた。


また、単行本での加筆修正も多く行う作者。その際には谷垣源次郎への執着が強く見受けられる。“源次郎の毛づくろい”と称して胸毛の増量、胸板を大きくする、首を太くするなど、とにかくムチムチなダンディにしようとしている。その愛はファン、そして制作サイドにも伝わったのだろうか、連載200話記念として「スケベすぎるマタギペン」という谷垣ファン垂涎のアイテムが誕生した。


『ゴールデンカムイ』にはこのような珍企画が多数存在する。2018年には、単行本購入特典として、トレーディングカードならぬ「トレーディングオジサン」が登場。作中の“おじさん”だけのカード(全20種)が全国の書店にて配布された。
さらに同年、「週刊ヤングジャンプ」では特別ふろくとして「鯉登クソコラ寫眞コレクション」という名のブロマイドが3号連続で付属。作中でも話題になった鯉登が自分の顔をコラージュした“鶴見中尉との写真”を、読者もリアルに手にすることができた。


このほかにも、『ゴールデンカムイ』23巻アニメDVD同梱版(支遁動物記編)の発売を記念したいらすとやコラボ、「白い恋人」「サッポロ クラシック」など北海道の名産とのコラボ商品も発売。最近ではキャラクターたちがかわいくデフォルメされた「サンリオキャラクターズ」とのコラボも話題となった。

■「ゴールデンカムイ」の最後を“皆”で見届けろ――!


最終回を迎えるにあたり、4月7日よりWEBコミックサイト「となりのヤングジャンプ」およびアプリ「ヤンジャン!」にて全話無料公開が行われた。この大盤振る舞いの施策について、野田先生からは“単行本を集めて何度でも読み返したくなる作品だという自信があるから。食わず嫌いでも読んで頂ければ好きにさせる自信があるから。読む前に偏見があっても好きにさせる自信があるから”とコメントしている。
確かに、「アイヌ文化」という馴染みが薄い題材、“変態”なキャラクターが多いなど、一見人を寄せ付けにくい情報が先行する人も少なくはなかったかもしれない。だが、度々行われていたマンガ無料公開や、アニメ放送でガッチリと心を掴まれたファンは多いことだろう。
そして、野田先生の最後の無料公開の一番の理由は“皆さんと一緒に最後を迎えたいのです”とのこと。ぜひ最後まで杉元たちの冒険をしかと見届けたい。

最終回を迎えても、『ゴールデンカムイ』の盛り上がりは収まらない。4月28日からはゴールデンカムイ展が開催されるほか、TVアニメ第4期の放送が10月に控えている。さらに、実写映画化も発表となり、ファンの間ではたちまち話題となった。キャスト・スタッフ情報などは未発表のため、続報に注目が集まる。なお、コミックス30巻は6月17日、31巻は7月19日発売予定だ。
これからの『ゴールデンカムイ』の展開にも、まだまだ期待して待ちたい。

※アシリパのリは小文字が正式表記。

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(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
《スーサイド・モモ》
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