「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」玖渚友役 悠木碧インタビュー 「リズミカルで音楽的なアフレコでした」 | アニメ!アニメ!

「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」玖渚友役 悠木碧インタビュー 「リズミカルで音楽的なアフレコでした」

インタビュー

「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」玖渚友役 悠木碧インタビュー 「リズミカルで音楽的なアフレコでした」
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──役づくりについては、どう考えていきましたか?

悠木
これまでのルールにとらわれないこと。これを基本に据えていきました。私は役者なので、セリフとセリフの間に表情がガラッと変わっていたら「この間に何があったのかな」と考えるんです。例えば、ムスッとしていた女の子が次のセリフでニコニコしていたら、その間に何が起きたのか。もし頭を撫でられてご機嫌になったのなら、頭をなでられたらこの子は笑顔になっちゃう子なんだと具体的な人物像を考えていくことができます。

──玖渚はそれとは違うということですね。

悠木
玖渚にはそれは必要なくて、私たちから見ると一連の流れになくとも彼女の中ではつながっているんです。ぶつ切りな感情表現は、すべてを表に出す子ではないから。思考レベルが高く尋常じゃないスピードで頭を回転させ、淡々としていて、全てに対して平等。唯一特別なのが“いーちゃん”。天才には天才のルールがあることを受け入れて、そのままを形にしてあげれば意外と玖渚という子は難しい子じゃないんです。

──実際に芝居として悠木さんが表に出す時はどう気をつけていきましたか。

悠木
西尾さんの作品で一番大切なのは文字のリズムです。この作品のアフレコでは守らないといけないルールがあって。それは「一言一句たりとも間違ってはいけない」こと。難しくもあるのですが、西尾さんの文章のリズムにのって進めれば一気に入っていけるんです。役者も西尾さんワールドに踊らされている状態で芝居をしているのだと思います(笑)。

── 一言一句を忠実に……。そういった現場は珍しいのでは。

悠木
そうですね。他の作品では口に出した時により気持ちいい言葉に変えてもいいか相談することもありますが、書き言葉がこの作品の意義だから今回はそのまま。特に《ぼく》を演じる梶さんは句読点まで可能な限り忠実にしゃべっています。《ぼく》がモノローグでトントントントンとリズムを刻んで、そこに色々な楽器(声)が加わっていく。とても音楽的なアフレコだと私は感じました。


───独特の掛け合いがあるんですね。

悠木
西尾さんの小説を声に出して読む方ってきっとなかなかいないですよね。でも声に出して読んでもらえれば、その素晴らしさ、すごさがすぐにわかるはず。アニメの力を感じられるポイントでもあります。

──シャフトと新房昭之さんといえば、悠木さんが主人公を演じた『魔法少女まどか☆マギカ』もありますよね。悠木さんから見てどんな印象の方でしょうか。

悠木
以前、『魔法少女まどか☆マギカ』の取材で対談させていただいた時に、なぜまどかが救世主になったのかについてお話したんです。そこにどんな理由があるのか自分なりに答えを出すのも役者の仕事なので、彼女が救世主たる理由を「家族にも友達にも、誰からも愛される子だからこそ全ての人を救える。平凡で誰も傷つけなかったからこそ彼女は救世主なのだと思う」とお話したんです。ところが新房さんは「ヒーローは生まれた時からヒーローなんだよ」とおっしゃって、それに衝撃を受けて。ただ、運命がそこにある。理由づけをするだけじゃないんだなってストンと落ちました。玖渚を演じる時、それがすごく役立ちました。

──《ぼく》と玖渚の関係をどう受け止めていますか?

悠木
一見すると謎めいているけど玖渚視点でいえば全然そうでもないですよ。天才の玖渚が唯一できないのは、《ぼく》のように悩み、あがくこと。玖渚からすると一生懸命に悩んでいる凡才の彼がとても愛おしくて興味深いんです。

──読者にメッセージをお願いします。

悠木
『クビキリサイクル』は2002年に小説が発表されて以来、長い間たくさんの方に愛されてきた歴史のある作品です。みなさんの頭の中にそれぞれの世界があると思います。今回のOVAは作り手から見た『クビキリサイクル』はこんな世界なのだという提示でもあります。私の中の玖渚はこんな子なのだと見てもらえればと思います。新房総監督をはじめ強力なスタッフが集結して作ったひとつの結果を、みなさんにどう召し上がっていただけるか楽しみです!

《川俣綾加》
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