第19回文化庁メディア芸術祭 短編アニメーションが盛況、「制作のプロセスをぜひ楽しんで」

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第19回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門では応募総数が過去最大となった。応募数が全体でも過去最高を記録。特に牽引したジャンルがマンガとアニメーションだ。
アニメーションは昨年の431作品から今年823作品に増加。その中でも短編アニメーションは前年の倍の数となったという。

多数の応募作品から大賞に輝いたのがフランスのアーティストBoris LABB?による『Rhizome』だ。哲学者ジル・ドゥルーズと精神科医フェリックス・ガタリが提唱した概念にインスパイアされた同作品。緻密に描かれた、生物とも無機物とも区別のつかない形状が錯綜しながら無数に増殖していく様子を描いている。
〓Boris LABB〓は「『Rhizome』は完成までに1年かかりました。インディアンインクと水彩、紙を使って原画を描き、コンピュータで大きく複雑な画面に仕上げています。原画とアニメーション制作のプロセスをぜひ楽しんで」と語った。

同じく優秀賞の岩井俊二監督の『花とアリス』の展示では、ロトスコープでのアニメーション制作のプロセスを紹介。実写と3DCGによるセルルックへの仕上がりを楽しめるほか、『〓Yul and the Snake〓』『My Home』『Isand (The Master)』も制作過程などを展示している。

『台風のノルダ』で新人賞を受賞した新井陽次郎監督は「新人賞をいただけるとは予想しておらず、驚きもあります。スタジオコロリドはまだ新しいスタジオで、私自身もスタッフも20代が多いです。スタジオとしても挑戦の作品でした。そういった部分も見ていただけたら嬉しい」。
また、短編アニメーション『Deux Amis (Two Friends)』で新人賞を受賞したロシアのNatalia CHERNYSHEVAは「この短編は児童向けに制作したもの。非常にシンプルな物語で、それぞれ異なる場所からやってきた生き物を、シンプルな作画で描いています」と作品を紹介してくれた。

アニメーション部門の応募総数は823作品。うち劇場アニメーション/テレビアニメーション/オリジナルビデオアニメーションが67作品。短編アニメーションは756作品となっている。

第19回文化庁メディア芸術祭受賞作品展
会期: 2016年2月3日(水)~2月14日(日)
会場: 国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか
入場料: 無料
《川俣綾加》

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