2016年国内劇場映画はこうなる-後編-、オリジナルの挑戦「君の名は。」「聲の形」「ルドルフとイッパイアッテナ」

レビュー

■ オリジナルの挑戦 

劇場オリジナル作品は依然ビジネスとしてハードルが高い。2015年には『バケモノの子』、『心が叫びたがってるんだ』などのヒットがあった。一方で、『百日紅~MissHOKUSAI~』『GAMBA ガンバと仲間たち』『花とアリス殺人事件』などは作品の評価の高さに比べて、必ずしも大きなヒットにはなっていない。
そうしたなかにもかかわらず、2016年はオリジナル作品の公開が少なくない。『ガラスの花と壊す世界』『同級生』『ずっと前から好きでした。告白実行委員会』『この世界の片隅に』『GANTZ』(仮)などだ。なかでもOLMのアニメーション制作、東宝系全国公開の『ルドルフとイッパイアッテナ』と、同じく東宝系全国公開の新海誠監督の『君の名は。』が2016年の目玉だ。スタジオジブリに続く、夏の大作路線の可能性を探っている作品だ。
『聲の形』は『けいおん!』や『たまこストーリー』の山田尚子監督が骨太な物語に挑む。こちらも新世代の監督を模索する動きだろう。

このほか2016年以降とされている中にも注目作は多い。『シドニアの騎士』と同じ弐瓶勉のマンガを原作とする『BLAME!』。アニメーション制作も『シドニアの騎士』と同様のポリゴン・ピクチュアズとみられる。『正解するカド』は東映アニメーションがヒット作『楽園追放』に続くプロジェクトとして進めている。いずれもCGアニメーションである。
『ムーム』は短編アニメーションだが、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた『ダム・キーパー』の堤大介、ロバート・コンドウ両監督の新作である。博報堂グループのスティーブンスティーブンが新たにアニメスタジオのクラフターを設立し、日本で製作する。

■ 海外アニメーションの公開状況/未公開映画はどうなる

2013年の『アナと雪の女王』、2014年の『ベイマックス』、2015年の『ミニオンズ』の大ヒットもあるように、海外アニメーションも国内映画興行では重要な存在だ。しかし、実際は一部の大ヒット作に支えられており、未公開映画も多く、日本では厳しい状況が続いている。
近年、ハリウッドのCGアニメーションを中心に海外でもアニメーション映画の製作が増えている。しかし、2016年のハリウッド大作は、ディズニー/ピクサー系の『アーロと少年』『ズートピア』『ファインディング・ドリー』、2015年『ミニオンズ』が日本でもヒットしたユニバーサルの『ペット』、そしてソニー・ピクチャーズエンタテインメントの『アングリーバード』と数少ない。『モンスター・ホテル2』は、ソニー・ピクチャーズ ホームエンタテインメントが配給の小規模公開でODSにあたる。

一方で『父を探して』や『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』などアート性の強い作品が公開されるのは注目される。こうした作品は興行規模が小さいこともあり、今後もさらなる公開発表がありそうだ。
9月公開の『レッドタートル THE RED TURTLE』も注目作である。フランス映画ではあるが、スタジオジブリが国際共同製作、高畑勲も制作に参加する作品だ。スタジオジブリとのつながりもあり、通常は海外映画の配給をしない東宝が配給するのも話題だ。
[数土直志]

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