第27回東京国際映画祭の最終日となる10月31日、TOHOシネマズ六本木において、11月22日から公開の『劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~』の舞台挨拶が行われた。『劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~』は2013年4月から9月にTV放送された『進撃の巨人』の総集編だ。Blu-ray用完全修正映像を再編集し5.1リマスター音源を使用したほか、訓練兵時代のエレンとジャンのエピソードなど未公開シーンも本編に一部追加。これまでアニメ版や原作を楽しんできた人でも、もう一度『進撃の巨人』の世界を存分に味わうことができるのだ。オープニングデーマはLinked Horizonが手がける「紅蓮の座標」。日本アニメ史上初となる4DX版も同時公開される。 この日、上映前の舞台挨拶に登壇したのは荒木哲郎監督、原作の諫山創さん、劇中音楽とエンディングテーマを担当する澤野弘之さん、プロデューサーの木下哲哉さん(ポニーキャニオン)、そして諫山さんの編集を担当する川窪慎太郎さん(講談社・マガジン編集部)と原作とアニメ制作を支える面々が揃った。 「映画が好きで、ついさっきまで舞台裏で荒木監督と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の話をしていました」という諫山さんは、『進撃の巨人』がこれほど大きな作品になるとは全く予想していなかった。ひたすら漫画を描き進めていた時に「物語のおおまかな流れを4巻ごとに区切っていく構成が理想」と考えていたという。今回の劇場版ではその構成がまさに現実のものとなったそうだ。作品づくりを支えた編集の川窪さんは「諫山さんが連載を始めた時はこんなに大きな作品になるとは思ってもみませんでした。色々な方に支えられてここまで来ることができて嬉しいです。ファンにも荒木監督にも足を向けて寝られないので、最近は立って寝ています。いえ、ちゃんと普通に寝ています(笑)」と会場を和ませる場面も。 完成したばかりだという同作について荒木監督は「諫山さんがおっしゃたように流れを4巻ごとに区切る構成は、それが1本の映画として確実にうまくいきますと即答できるものでした。原作にもともと映画としての構造が備わっていたんです。TVアニメを制作する時は、それを25話という器に移し替える作業をやったという感じで。今回は劇場版の2時間に移し替える作業。その作業をやってみて改めて、原作がもっている強い構造や魅力に気づかされて自分でも感動しています」と熱を込めて語った。 また、原作は諫山さんにとってどんな存在かという質問には「自分の漫画に対して思うことは、不器用で絵も本当にひどくて読んでも内容が全然入ってこない。それがアニメ化したら、もうそれが原作です! 僕はそれくらいのテンションで見ています(笑)」とTVアニメ版に対して高い評価を寄せた。 最後の挨拶で荒木監督は「原作やテレビシリーズをご覧になった方には、新しい要素は無いかもしれません。でも『やっぱり進撃の巨人は面白い』と言ってもらえる作品になっていると思います」と自信を持って送り出す姿勢を見せてくれた。これに加え劇場グッズも「面白いものをたくさん用意しているので、楽しみにしていてください」木下プロデューサーがコメント。ファンにとってもまだ作品に触れたことが無い人にとっても嬉しい劇場公開となりそうだ。『劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~』は2015年に公開予定。 [川俣綾加] 劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~ 2014年11月22日(土)新宿バルト9、梅田ブルク7ほかにて劇場公開 http://www.shingeki.tv/movie/劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」制作委員会
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