宮本茂×川上量生対談@東京国際映画祭 その可愛さを存分に楽しめる「ピクミン ショートムービー」 | アニメ!アニメ!

宮本茂×川上量生対談@東京国際映画祭 その可愛さを存分に楽しめる「ピクミン ショートムービー」

10月25日の第27回東京国際映画祭にて、宮本茂氏と川上量生氏の対談が行われた。宮本氏がプロデューサーを務める映像作品「ピクミン ショートムービー」の3D上映に際したもの。

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  • (C)2014 TIFF
  • (C)2014 TIFF
  • 『ピクミン ショートムービー』(C)Nintendo 
10月25日の第27回東京国際映画祭において、宮本茂氏と川上量生氏の対談が行われた。宮本氏は任天堂の専務取締役であり「スーパーマリオ」「ドンキーコング」「ゼルダの伝説」など数々のヒット作を生み続けているゲームプロデューサー。川上氏はKADOKAWA・DWANGO代表取締役会長・スタジオジブリ プロデューサー見習いでもある

対談は宮本氏がプロデューサーを務める初の映像作品「ピクミン ショートムービー」の3D上映に際して行われたもの。「ピクミン」は2001年に第1作目としてニンテンドーゲームキューブ用ソフトが発売され、2013年にはWii U向けに「ピクミン3」が発売されている人気タイトル。
トークは川上氏による「どうしてピクミンを映像作品にしようと思ったんですか?」という質問からスタートした。宮本氏は「話せば長くなるけれど」と前置きした上で、以前より映像制作の話やゲーム原作の映画化のオファーはあったが、インタラクティブなゲームと映像で視聴者を納得させることは全く異なるため映画化にはあまり興味がなかったという。そんな中、ピクミンはゲーム画面の中では手を振るなど小さな仕草をたくさん作っているがカメラを寄せないと見えないため、ピクミンの動きをもっと見てもらうために何かアニメーションを作ったほうが良いのではないかと考えた、というのが第一の理由だ。

もう一つの理由として、「中学生の頃から4コマ漫画を描いており、もしゲームを映像化するとしたらピクミンをショートコントにしてたくさん制作したらいいんじゃないかと思ったんです」と宮本氏。ニンテンドー3DSでコンテンツ配信をするようになり3D環境が整った提供手段が見つかったことも後押しとなり、制作をスタートした。
またこの計画がスタートしてから「ピクミンが自分の周りにいるような気分になってきた」という宮本氏は2012年のE3のオープニング映像でもピクミンを採用。控え室にいる宮本氏の周りやスーツの胸ポケットにピクミンが動き回っており、出演のため呼ばれた宮本氏とピクミンがステージに向かう……という映像だ。さらにここで会場のお客さんの頭の上や肩にもピクミンがいる、というリアルタイム合成を行った。

そして話は再びピクミンの3DCGアニメの話へ。1本目の映像を制作した時は当初の狙い通り3分の短編に仕上がったが、2本目では7分に。そして「もっと作りたい」という気持ちが大きくなり短編アニメーション作品「ピクミン ショートムービー」制作に至ったという。
この作品では言葉としてのセリフは無く、海外でもそのまま上映できること、大人も子供も楽しめるものに仕上げたと宮本氏は話す。
「上がってきた絵コンテを僕が見てOKかどうかを判断することになっていましたが、僕がそれをNGにしてしまったらそれまでの時間が無駄になってしまう。そこでニンテンドー3DSの『うごくメモ帳』機能を利用して僕が絵コンテを描いておけば、それは僕の承認があるということ。時間のロスなく動けると思いました」と、“うごメモ”でアニメ・ピクミンの絵コンテを募集するアイデアもあることを明かした。“うごメモ”はアニメや映画を生むツールとして可能性がありそうだ。

このほか、プロデューサーという同じ肩書きを持つ両氏だが、現場に大きく携わって監督のような立場で携わる人もいれば川上氏のように交渉関係に集中するプロデューサーもいるとして2人の携わり方の違い、今回の「ピクミン ショートムービー」における海外戦略などのトークが行われた。
「最近はアニメを制作するにもお金がかかるようになってきました。いっぱいお金をもってるゲーム会社がアニメを作ってくれないかな(笑)」という川上氏に宮本氏は、「ゲームはアニメとは違って、遊んでいる人の中にキャラができあがっていくんです。だからそこは難しいし技術的な違いがありますが、制作の仕方は近いのではないでしょうか。今は日本のアニメの未来がどうなるかわからないという意味で面白い時期だと思います。何かできたらいいな」と締めくくった。
この日公開された「ピクミン ショートムービー」は、宮本氏のうごメモでの絵コンテ、TOHOシネマズで公開されているCGアニメーションとあわせて、今後ニンテンドー3DSで配信する予定だという。
[川俣綾加]
《川俣綾加》
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