高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義[取材・構成： 高浩美]■ 映画も公開、『人狼』はスリリングかつシンプル、だから面白い人気ゲーム『人狼』、今、旬の若手女優・土屋太鳳主演の映画『人狼ゲーム ビーストサイド』も8月30日に公開され、『人狼』がクローズアップされている。このゲーム、まさに心理戦、村人が勝つか、人狼が勝つか、結末は2つしかない。シンプルだが、そこに行き着くまでは予測不能な展開が待っている。そんなスリリングな設定が人気を呼んでいる。もともとはアメリカのゲームなのだが、日本でも漫画『Doubt』等、派生作品もあり、人気が高い。今回の舞台版は日本人なら誰でも知っている新撰組、日本を代表する剣客集団である。6月に行われ、今回は2度目、この新撰組のメンバーが人狼？人狼と戦う？新しい新撰組、変わった舞台であることは間違いなさそうである。■ 幕末に人狼出現、それも新撰組に“潜伏”隊士達はこの危機をどうするのか？新選組、反幕府勢力を取り締まる武装集団、ゲーム『薄桜鬼』や大河ドラマ等で様々な描かれ方をしている“人気集団”、そんな新撰組の隊士に人狼がいる、というある意味、衝撃的な設定。本番15分前にカードを引いて誰がどの役割を担うかを決めるので、毎回ストーリーは変わる。しかもオープニング以外が全てアドリブ。その上、俳優たちは“今日は誰が人狼なのか”知らない。つまり、舞台上で本当に人狼探しをしなければならないのである。オープニングは派手な立ち回り、映像を使ってキャラクターと設定を紹介。それから“本編”が始まるのである。結束の堅いはずの新撰組であるはずが、“人狼探し”で内心は疑心暗鬼。そんな様子は今迄の“新撰組モノ”にはない。多数決で“人狼”と認定されたら切腹であるが、この切腹、皆、ここぞとばかりに、それぞれ工夫をして見せ場を作っている。観客参加型なので途中で誰が人狼なのかを“提出”する。ここでもし、見事全て当てたら豪華なプレゼントが待っているそう。この人狼探しのシーンでは皆、かなり真剣でしかもキャラになり切ってやらなければならない。例えば、局長・近藤勇はなんといってもリーダーである。話題を整理したり、それから山南敬助は文武両道のキャラクター、ちょっと訳知り顔だったり、とそれぞれ“この人物はこういうキャラクター”という解釈に、さらにアドリブの演技が上積みされるので、かなりハードルは高い。そこをクリアーしての芝居。観ている側は正直、楽しく、また推理する面白さもある。多数決で人狼と見なされた者は切腹し、すぐに“幽霊”になる（頭に三角巾をつける）。そこに“幽霊ボーイズ”が出てきて札を渡すところ（この札に役割が書いてある）は、なんだか楽しそう。当然のことながら幽霊は増えて賑やかになるが、そのやり取りもなかなか面白く、皆“陽気な幽霊”である。設定とは裏腹に悲壮感はなく、俳優陣も制作陣も楽しんでやっている様子が伝わってくる。ゲーム感覚の楽しさをそのまま演劇というライブ空間に持ちこんで、の一風変わったエンターテイメント。“レギュラー”の舞台『人狼』も観て比較するとより面白い。パターンは一緒だが、とにかく全てアドリブで構成されているので、結末に行き着くまでの過程は公演の数だけある。このシリーズ、かなりの回数を重ねており、過去には吸血鬼バージョンもあったよう。考えれば、いくらでも異なるバージョンが出てきそうである。次はどんな新しい『人狼』が登場するのか、ゲームファン、推理物ファンはチェックしておきたい。『人狼TLPT X 新撰組～壬生村の狼 至誠の巻～』ＣＢＧＫシブゲキ!!2014年9月9日（火）～15日（祝）/http://7th-castle.com/jinrou
「すみっコぐらし」初の舞台化が決定！ 映画第1弾「とびだす絵本とひみつのコ」原作のパペットミュージカルが8月より上演 2024.4.17 Wed 17:30 サンエックス発の人気キャラクター『すみっコぐらし』が初めて…
