ミュージカル『黒執事』、今年の7月からアニメも新シリーズが放映開始され、その人気は衰えない。もちろん連載も2006年から継続中、関連書籍を含むと累計1500万部、まさに空前の大ヒットなのである。 今回の舞台は人気エピソードである『切り裂きジャック』の話。実はこれ、1888年のイギリスで実際に起こった猟奇殺人事件(Jack the Ripper)。売春婦を対象にした殺人で、新聞社に犯行予告を書名入りで送ったりと、いわゆる“劇場型犯罪”の元祖とも言われている。謎も多く、現在も未解決なのである。この神秘性や謎がクリエイターにとっては刺激的、モチーフにしたり、扱ったりした作品は数多く書かれている。有名なものではアルフレッド・ヒッチコックが映画化した『下宿人』。その他、エラリー・クイーンの小説『恐怖の研究』等がよく知られている。映画では『タイム・アフター・タイム』(切り裂きジャックが未来に逃亡する物語)、『宇宙大作戦(スター・トレック)』(『惑星アルギウスの殺人鬼』に切り裂きジャックの正体とされる異星人が登場する)等がある。