「マクロスII」とは何だったのか? 完成から22年、いま振り返る作品の魅力

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[文:沖本茂義] 

■「マクロスシリーズ」のターニングポイントとなった『マクロスII』

『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』は、『超時空要塞マクロス』の放映終了後から「10周年」となる1992年に登場したOVA作品だ。作品構成としては約25分×全6話である。
タイトルの「II」がしめす通り、『マクロスII』は『超時空要塞マクロス』の正当な続編として企画されたものだ。だが、マクロスシリーズのなかでは、「日の当たらない」作品となってしまっている。一時期「マクロス年表」で言及されなかったり、一部では「黒歴史」と称されている。
しかし、本作がなければ『マクロスプラス』(94)も『マクロス7』(94)も『マクロスF』(08)も存在し得なかった。『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の放映終了後に河森正治が「マクロスの続編はつくらない」と発言していたことを考えると、もしかしたら「マクロスシリーズ」自体途絶えていた可能性もある。そんなシリーズのターニングポイントとなった作品として、『マクロスII』を見直して欲しい。

『マクロスII』は、前作『超時空要塞マクロス』の「フォーマット」を踏襲したつくりとなっている。「第一作」から80年後の「2090年」に時代設定されているものの、「マクロスシリーズ」には欠かせない三大要素「可変戦闘機バルキリー」「恋愛の三角関係」「歌」が盛り込まれている。異星人との宇宙戦争と並行し、男女の恋愛ドラマが等価で描かれることも同じだ。

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一方で『マクロスII』は構造的には前作を踏襲しているが、実際にフィルムを見ると、オリジナル色が強い作品という印象がある。
はじめに衝撃を受けるのは、『愛・おぼえていますか』の後日談的な世界観だ。かつて人類を救った宇宙戦艦マクロスは朽ち果て、ゼントラーディ人と地球人は融和、歌を武器に使う「ミンメイ・アタック」も統合軍によってルーチン化されている。さらに新たな敵・マルドゥークまでもが「歌」を戦意高揚のために使ってくる。かつての驚きが常識となってしまった世界……「80」年という時代の変遷を感じられて面白い。

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『マクロスII』特設サイト 
/http://www.bandaivisual.co.jp/macrossII/
《沖本茂義》

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