VIZ Mediaは、日本のアニメ・マンガの翻訳出版やライセンス管理を手がける大手企業である。ハイカソルは、そのなかで翻訳SFの出版を行う。 出版点数や事業規模は必ずしも大きくないが、日米のSF界においては意義の大きいものだ。これまでに『太陽の簒奪者』(野尻抱介)、『戦闘妖精・雪風』(神林長平)、『ブレイブ・ストーリー』(宮部みゆき)、『時砂の王』(小川一水)、『マルドゥック・スクランブル』(冲方丁)をはじめ20点あまりが刊行されている。
先頃、2014年3月にトム・クルーズ主演で全米公開が決まった『All You Need Is Kill』(原作:桜坂洋)の映画化は、2009年7月のハイカソルからの翻訳出版がきっかけだ。2010年に伊藤計劃さんの『ハーモニー』がフィリップ・K・ディック記念アワードの特別賞を受賞したのも、ハイカソルによる英語版を対象にしていた。 最新作だけでなく、古典SFの発掘にも取り組んでおり、2011年には光瀬龍さん『百億の昼と千億の夜』も発刊されている。『復活の日』もそうした作品のひとつと言えそうだ。