『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、2011年春に放映され多くの視聴者の心を揺さぶったテレビアニメシリーズだ。8月5日には、劇場アニメ映画化が発表され、再び大きな話題を呼んでいる。そんななかこの夏に、もうひとつの『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が完結する。テレビアニメのシリーズ構成を担当した岡田磨里さんがみずから書いた小説版『あの花』の下巻がメディアファクトリーMF文庫ダ・ヴィンチから発売される。上巻下巻の2冊のうち後半の1冊だ。小説版はテレビ版と同様、とつぜん帰ってきた少女 めんまの願いをかなえるため、かつて幼なじみだった高校生たちが再び集まる物語だ。一人ひとりの胸にしまわれた痛みが紡ぎだされていく。注目したいのは、小説だけのオリジナル・エピソードが多数盛り込まれていることだ。文章だから描ける、テレビでは語られなかったストーリーを味わいたい。脚本家として高い評価を受け、話題になることも多い岡田磨里さんの小説作品であることも気にしたいところだ。価格税込550円、全国の書店で購入出来る。2013年の映画公開前までに読んでおくといいかもしれない。MF文庫ダ・ヴィンチからは、もうひとつテレビアニメ作品、ノイタミナで放映された『つり球』の小説版も8月10日に発売される。こちらも脚本家みずから書いた小説だ。大野敏哉さんが、江の島を舞台にコミュニケーションが苦手な高校生ゆき、自称宇宙人のハル、釣りが得意な夏樹、そしてアヒルを抱いた奇妙なアキラ、個性豊かな4人が繰り広げる物語を描く。こちらは定価税込680円だ。
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