金山明博第2回個展 「金山×芦田×神村 大物アニメーターのトークイベント」レポート | アニメ!アニメ!

金山明博第2回個展 「金山×芦田×神村 大物アニメーターのトークイベント」レポート

イベント・レポート

 1月10日から2月14日まで、アニメーター金山明博氏の第2回個展「金山明博原画展『アニメ&マンガ・イラスト展』」が埼玉県狭山市のギャラリー麦で開催されている。
 金山氏と言えば『あしたのジョー』の作画監督を初め、ロボットアニメ『闘将ダイモス』や『ボルテスV』などのキャラクターデザイン・作画監督で知られる日本の巨匠アニメーターのひとりである。もう少し若いファンには、『Zガンダム』や『サムライトルーパー』の作画監督として馴染み深いかもしれない。

 今回の個展は、同氏が昨年8月に行なった最初の個展が好評だったのを受けたものである。
 前回の個展が油絵など絵画的な作品が中心であったのに対して、今回は金山氏の持ち味であるアニメ的な絵も豊富に盛り込んだ。前回よりもバリエーションが、さらに広がっている。

hk1.JPG 1月14日には、この個展の開催を記念して、ゲストに芦田豊雄氏と神村幸子氏を招いたトークイベントが行なわれた。両氏とも日本を代表する大物アニメーターであることは説明するまでもないだろう。
 数多くのキャラクターデザイン、作画監督作品があり、その代表作は何に決めてよいのか判らない。

 ここでは私の好みで、芦田氏の代表作に『サイボーグ009』『宇宙戦艦ヤマト』『魔法のプリンセスミンキーモモ』、神村氏の代表作には『シティーハンター』『アルスラーン戦記』『ブラック・ジャック』(TV版)を挙げたい。 

 トークイベントはギャラリーを会場に、アットホームなかたちで行なわれた。会場には一般のお客に加えて、金山氏の虫プロ時代からの知人も多数訪れるなど満員であった。
 こうした雰囲気もあり、トークイベントは語り手と聞き手が非常に近かった。ゲストが一方的に話すのでなく、3人のアニメーターの語る作画論を横で聞いているような感じと言えばいいだろう。
 トークの内容も、アニメ制作の創成期の話から作画のありかた、アニメーターのエピソードまで幅広い。金山氏は、今までトークショーのなかでも一番楽しく話せたとのことである。

hk3.JPG そうした話のなかで興味をひいたのは、やはり作画に関するエピソードである。
 例えば昔のアニメーターは人に教えないので、自分で覚えなければいけないから先輩がトイレに行っている間に原画を盗み見たとか、本当に忙しい時は修正原画を取る時間も惜しくて、原画のうえからボールペンや赤ペンで直接修正を入れたといったものである。

 また、それぞれのアニメーターの作画の考え方も興味深かった。例えば神村氏は作画をする際に、なるべくキャラクターデザインを大切にしようとする気持ちを持っているように感じた。
 その一方で、自分が作画監督をする時には、うまければ認めるという。最近では作画の良し悪しかかわらず、シリーズを通して絵を揃える傾向があるが、自身は絵がうまければOKだと思っているという。他人の才能を尊重する姿勢が強いようだ。

 芦田氏で面白かったのは、芦田氏がこれまで自分の絵を意識して変えてきたという話である。実際に芦田氏は1970年の始まりから2000年代まで、驚くほど多様な作品で様々なイメージを作り上げている。
 そうした作画世界の広がりは、芦田氏の意図的なものであるのだ。それは芦田氏がなぜこれほど長く人気を維持しているかの理由であるように思えた。
 それに対して金山氏の絵は変わらないことの魅力かも知れない。80年代に若い才能が現れた時に、悩んだこともあるという。
 しかし、今回の個展を見ると変わることの魅力と同様に、変わらないこともまた大きな魅力だと思える。
 
 2時間以上にわたるトークイベントで、アニメの絵は面白い、アニメーターの思いがこもっているということを再発見させられた。
 そうした気持ちは、この日の神村氏の言葉「アニメーターがのりながら描いている絵は画面を通じて伝わってくる。観ていると気持ちよくなる」そのままである。家に帰ってもう一度アニメが観たくなるトークイベントであった。
 
金山明博第2回個展アニメトークショー
2007年1月14日 ギャラリー麦(埼玉県狭山市)
ゲスト: 金山明博
     芦田豊雄
     神村幸子
司会: 星まこと

金山明博 原画展「アニメ&マンガ・イラスト展」
2007年1月10日~2月18日 10時~18時
  1月21日、22日、29日、2月3日、4日、5日、12日は休み 
ギャラリー麦(埼玉県狭山市新狭山)

個展の詳細は下記リンクを参照ください。
金山明博原画展 /http://kanayamaakihiro.web.fc2.com/
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