ソフトウェアやコンテンツの著作権の権利保護を目指して活動している(社)コンピューターソフトウェアソフトウェア著作権協会は、国内のインターネットでのファイル交換ソフトの利用実態を発表した。 それによれば、インターネット利用者のファイル交換ソフトの利用率は、過去最高の3.5%となった。また、これに過去の利用者を加えると12%と1割を超える。 しかし、実際利用率は過去5年間でほぼ横ばいである。また、今後の利用意向を示す「また利用したい」、「機会があれば利用した」の合計は、5年間で最低の28.7%にとどまった。 急速に拡大するファイル交換による著作権侵害のイメージとは裏腹に、実際にはファイル交換の利用は伸び悩んでいるようだ。 こうした理由には、ファイル交換ソフトの利用を止めた理由の1位「セキュリティ・ウィルスなどが心配」(46.2%)や「著作権侵害などの問題がある」(26.4%)など、安全性と著作権保護意識の高まりがあると言っていいだろう。 調査で明らかになった利用ソフトの種類では、WinMxやWinnyなど日本製のファイル交換ソフトが大半占めている。一方で、海外でアニメ作品のファイル交換に盛んに利用されているBitTorrent(6位利用者の13.5%)の名前も見られる。 また、利用者がダウンロードするファイルのジャンルでは、アダルト作品が1位となっているほか、2位に洋画、アニメも3位につけている。アニメはファイル交換ソフト利用者の28.6%が利用しており、これを全体のファイル交換ソフトの利用率と掛け合わせるとインターネット利用者の約1%がファイル交換ソフトを利用してアニメ作品を楽しんでいることになる。 これを多いと考えるか少ないと考えるかは微妙なところだが、多くの人は意外に低いと感じるかもしれない。また、それによってほっとしている業界関係者も少なくないだろう。 少なくとも日本では、米国やアジア諸国で行われているような大規模なアニメ作品のファイル交換は起こっていないと考えられそうだ。しかし、これは日本人のモラル以上にファイル交換ソフトの利用に様々な障害があることが理由だと考えられる。 ファイル交換ソフトの利用には専用ソフトのダウンロードが必要となる技術的なハードルやファイル交換のセキュリティやウィルスなどへの心理的抵抗が大きいからだ。 むしろ、インターネット上の著作権侵害は、今後はYou Tubeに代表される画像投稿サイトがより重要になってくる可能性が高い。You Tube型の画像投稿サイトには、技術的なハードルも心理的なハードルもないからだ。それが今年の初めから春までネットを賑わしたYou Tube騒動の原因でもある。 You Tubeは既に、著作権侵害画像の削除に動き出しているが、今後第2、第3のYou Tubeが現れる可能性は小さくないだろう。そう考えると意外に低く、今後の利用意向も決して高くなかったファイル交換ソフトの実態調査は喜んでばかりはいられないと言える。/(社)コンピューターソフトウェアソフトウェア著作権協会
「劇場版 SPY×FAMILY」あなたにおすすめの“おでけけ”スポットは? Yahoo! JAPANで“おでけけ占い”公開スタート 2024.2.21 Wed 17:30 『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の大ヒットを記念して、Yaho…