アニメビズ10大ニュース(5) GONZO上場廃止 | アニメ!アニメ!

アニメビズ10大ニュース(5) GONZO上場廃止

 2000年代前半は、アニメ業界は制作の急激な増加で活況を呈していた。しかし、2007年をピークに、アニメ制作、映像パッケージのビジネスは下方トレンド入りしたとされる。
 こうしたアニメ業界の不況の影が明らかになったのが2009年である。その業界の不況を象徴する

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 2000年代前半は、アニメ業界は制作の急激な増加で活況を呈していた。しかし、2007年をピークに、アニメ制作、映像パッケージのビジネスは下方トレンド入りしたとされる。
 こうしたアニメ業界の不況の影が明らかになったのが2009年である。その業界の不況を象徴する出来事が、2009年7月のアニメ製作会社ゴンゾ(旧GDH)の上場廃止であろう。

 ゴンゾは、旧ゴンゾとデジメーションの合併により誕生、2004年に東証マザーズ市場に上場した。アニメ作品の権利を自社で保有する、先進的な資金調達の仕組みを利用する、M&Aの積極活用など、これまでのアニメ企業には見られなかった経営手法が注目を浴びた。また、急速な経営拡大が、企業成長を期待させた。
 しかし、2008年に債務超過や急速な経営悪化が表面化した。グループ企業の売却や増資も行ったが、2009年7月30日に上場廃止に追い込まれた。

 ゴンゾの経営悪化は個別企業の問題だけでなく、アニメビジネスの環境悪化の影響も大きかった。新興企業である同社の事業は、マニア向け作品、そしてマニア向け作品の資金回収の中心である映像パッケージビジネスへの依存度が大きかった。また、海外市場の拡大を念頭に、海外展開を視野に入れた作品を多数製作した。
 ところが、急激な映像パッケージビジネスの採算悪化と市場の縮小、そして違法配信による海外のマニア向けビジネスの後退が、そうした分野に力を入れたゴンゾの経営に特に大きな影響を与えた。こうした市場環境の悪化は、他のアニメ関連企業にも同様の影響を与えており、2010年に多くの企業にとっての課題となっている。
《animeanime》
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