今年1月、米国・サンフランシスコのベンチャー企業クランチロールは、テレビ東京など日本の権利者の協力を得て『NARUTO』や『銀魂』などの人気テレビアニメの日本国外向けインターネット配信を開始した。配信は日本のテレビ放映からわずか1時間後、日本語の番組に英語字幕をつけたものである。長年、海外のアニメファンから要望の高かった日本と海外のアニメ作品同時展開の実現となった。 この動きは他社に瞬く間に波及し、『鋼の錬金術師 FULL METAL ALCHEMIST』、アニメ『ONE PIECE』など有力作品が次々に国内外同時展開を開始した。わずか一年で、日本で放映されたかなりの作品が、ほとんど時差を置くことなく海外でも視聴出来るようになった。 さらにVIZ Mediaが北米で行う『境界のRINNE』の様に、マンガにも波及し始めている。2009年に日本アニメの海外のビジネスは、インターネットを中心に全く異なる様相を見せ始めた。