今回の東京ゲームショウは10周年という極めて判りやすい時間的な区切りを持った記念すべき開催になった。 それと同時に3大メーカーの新型コンソール機が出揃った年のコンベンションといったビジネス上の区切りもある。 こうした東京ゲームショウ2006のなかで最も印象に残ったことは2点ある。ひとつは、企業出展ブースの巨大化である。これはここ数年続く傾向で本来ならあらためて驚くことでないが、今回はあまりにも巨大な企業ブースが続出し印象が際立った。 言うまでもなくこれは近年相次いだゲーム業界の企業再編の結果でもある。例えば昨年までは単独で企業出展をしていたタイトーは、TOBによる子会社化によりスクゥエア・エニックスに取り込まれた。その分だけ、同社のブースは大きくなったわけである。 同様なことは、昨年は共同ブースだが実質的には分離出展だったバンダイナムコが完全に統合されたことや、セガサミーもセガブランドに統一したことで企業の打ち出すイメージが明白になったことに見られる。 今年のゲームショウのメイン会場は、実質上3つのホールをつなげた2つの会場が中心となっている。しかし、そのうちひとつは巨大ゲーム企業数社(ソニーコンピューター、スクウェア・エニックス、コナミ、カプコン、セガ、バンダイナムコゲームス)、によってほとんどが占められている状態である。 そうした企業出展はとにかく巨大で華やかとしか形容が出来ない。最大規模のソニーコンピューターにいったっては、ブースが延々と続いているという感じであった。 そうしたなかで見落とせないのが、通信キャリア企業の存在感の拡大である。巨大ゲーム企業に混ざって、NTTドコモとKDDIがそれらに匹敵する規模の企業出展を行っている。 彼らの主戦場はいうまでなく、モバイルである。モバイルゲームのビジネス規模は、今やこれだけの規模を持って宣伝するほど拡大している。そしてモバイルは、コンソール機、PC、携帯機に匹敵する新たなビデオゲームのプラットフォームになった。 一方参加者に目を移すと例年に増して海外からの参加者が目立った。印象に残った第2点目はこの海外参加者の動向である。昨年も海外からの参加者はかなり増加している。しかし、今年は会場を見る限り海外メディア、視察ともそれを上回る規模になったと考えられる。 こうした現象は、近年しばしば言及される世界市場における日本のゲーム産業の地盤沈下と矛盾する。しかし、東京ゲームショウにはE3やドイツのゲームコンベンションと異なる魅力が存在するようだ。 様々な意味で時代の区切りを持った東京ゲームショウであるが、今後、今年がまた別の意味の区切りとなる可能性もある。それは来年開催される国際コンテンツカーニバルとの連動である。 国際コンテンツカーニバルの目指すのは、日本のエンタテイメントコンテンツを統合することで、国際的に競争力のあるビジネスショウを作り出すことである。これまで、コンシュマー向けのイベントとしては大きな成功だが、ビジネス機能は弱いとされてきた東京ゲームショウに新たな転機が訪れるかもしれない。 10周年を迎えた東京ゲームショウは、日本ゲーム業界の変化の激しさと可能性が感じられる大きな意味がある場所であった。/東京ゲームショウ2006
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