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文;氷川竜介(アニメ評論家) 奇跡のパワーを秘めたアイテムで美少女が変身! ステッキを武器にバトル! 「魔法少女もの」は女玩(女児向け玩具)の販促企画の作品群からスタートし、いつの間にか「大きなお友だち」向けにひとつのジャンルを形成するようになった。本作『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』(原作・脚本:都築真紀/監督:草川啓造)も、そんなジャンル作品がファンに支えられて成長し、ついに劇場版にまで登りつめた映画だ。合計3シリーズが制作されたTVアニメ版「なのは」を表紙にするとアニメ雑誌の部数が確実に伸びるという定説があるほど、堅実で熱い層をつかんでいる。 『なのは』を愛するファンのために、作り手が「良かったところ」を抽出し、新たな見せ場として再構築する。それは当たり前のことだ。そして、一般にクリエイターたちはやや冷静で客観的な立場になって、観客をさらなる高みへとリードしようと試みるはずだ。ところが、この劇場版では映画が進行するにつれ、明らかに作り手の側も『なのは』を溺愛していることが伝わってきて、それに圧倒されてしまうのである。 劇場版として特筆すべきは「音響」だ。なのは役の田村ゆかり、フェイト役の水樹奈々とダブルヒロインの声の明瞭度が増し、戦闘シーンにおけるギミックの作動音、爆発や着弾などの迫力向上は言うまでもない。一番の注目ポイントは、バトルを支える魔導端末レイジングハートのクールビューティなボイスだ。設定的には小道具の無機質な応答音声なのだが、なのはにネイティブな英語でチュートリアルを指示し、ともに戦って苦難を乗りこえていく、そのパートナーシップのけなげさには、思わず涙なのである。 『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』 |
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