11月28日、神戸国際会議場メインホールにて第15回アニメーション神戸賞の授賞式が開催された。1995年の阪神・淡路大震災からの復興の一環として同年から開始されたアニメーション神戸では、世界的に評価が高い国内の商用アニメーションにおける優れた作品やクリエーター、および長年にわたりアニメーション業界に貢献した者などを表彰してきた。近年ネットでのライブ配信も行われているが、今回は始めてUSTREAMが使用された。こちらの視聴者数は3500人を超えている。 今回は個人賞に細田守監督、作品賞・劇場部門に『涼宮ハルヒの消失』、作品賞・テレビ部門に『けいおん!!』、作品賞・ネットワーク部門に『ミクの日感謝祭 39's Giving Day』、特別賞に背景美術制作の株式会社美峰、主題歌賞に『とある科学の超電磁砲』の主題歌「only my railgun」(歌:fripSide)が選ばれた。 今回の各受賞のなかでも作品賞・テレビ部門の『けいおん!!』で監督の山田尚子氏が登壇したのは特筆すべき点だろう。山田監督の公への登場は希少で、最近ではKYOTO CMEX 2010で行われたコンテンツビジネスセミナーくらいである。山田監督は「細田監督や(『涼宮ハルヒの消失』の)竹本(康弘)監督がおっしゃっていたように、アニメーションは沢山の人達が大事に作っていて関わったスタッフの1人1人を思い出しながらこの場に立たせて頂いている」と語った。 そして「大きな戦いがあるわけでもなく、(とはいえ)中身はあったんですよ。その辺をじっくりたっぷり温かくスタッフみんなで力を合わせて優しく描き切ったかと思っているんですけど、とてもみんな大切に思っている作品ですので、こんな賞を頂けて有り難く思っています。ありがとうございました」と挨拶を終えた。 このほか『ミクの日感謝祭 39's Giving Day』では、ニコニコ動画などでの盛り上がりを前提に「バーチャルアイドルのコンサートだと書かれることが多いが、単に送り手と受け手といった関係ではない思いが結集している」と感想が述べられた。またゲーム開発という建前のもとでコンサートを開くにはどうしたらいいかといった秘策に会場が沸いた。 それから株式会社美峰では「古き良き美術背景を残しつつ、また新しい美術背景を創りだす実力のあるスタッフ、若い感性を取り入れることの出来るベテランスタッフ。このコンビネーションこそが美峰のアニメーション美術です」と代表の挨拶が読み上げられた。 FripSideのライブの後、毎回行われているラジオ関西「青春ラジメニア」の公開収録では、引き続き細田監督が登壇した。トークの終盤では、細田監督が次回作について匂わせる発言もした。こちらは12月9日に当番組で放送される。【真狩祐志】 アニメーション神戸 /http://www.anime-kobe.jp/第15回アニメーション神戸賞 受賞者・受賞作品個人賞 細田守(監督)作品賞・劇場部門 『涼宮ハルヒの消失』作品賞・テレビ部門 『けいおん!!』作品賞・ネットワーク部門 『ミクの日感謝祭 39's Giving Day』特別賞 株式会社美峰(背景美術)主題歌賞 「only my railgun」(『とある科学の超電磁砲』)
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