『マシュランボー』をご存知だろうか?そう、2000年2月から9月まで、テレビ朝日系で放映されたテレビアニメである。300年後の地球を舞台に、主人公マシュラが地球を支配するマトリクサーと戦う少年向けの冒険アニメだ。 放映当時から一部で人気を博した『マシュランボー』だが、当時放映時間が他の超人気作品と同じだったため残念ながら放映は終了。そして、番組はDVD化されることなく時が過ぎ去っていった。 ところが放送から9年、長い年月を経て作品のコンプリートDVD BOXが発売され話題を呼んでいる。なぜ発売なのか?なぜいまなのか?多くの人を驚かせたこのDVD BOX発売への布石は、随分前から続いていた。 番組終了後も存在した公式ホームページに、ファンからの熱いメッセージやイラストが、長い間送り続けられてきたからだ。そうしたファンの熱い気持ちが高まり、『マシュランボー』を巡る動きが活発化した。 その根強い 『マシュランボー』人気は、ファン・キャスト・スタッフ集結オールナイトイベント「朝までゴーバク祭!!」を実現させる。昨年8月30日に池袋テアトルダイヤにて開催されたこのイベントには、主人公マシュラを演じた高山みなみさん、ヒロイン ヤクモ役の皆口裕子さん、ビンカ役久川綾さんがトークゲストとして登場。『マシュランボー』復活のエネルギーはピークに達した。 オールナイトイベントであるにも関わらず、チケットは早々に完売。200席の劇場は満席となった。こうしたイベントの熱気を支えたのは、8年間作品を愛し続けた者同士の連帯感かもしれない。 当日のイベントに参加したファンは、「放送が終わり、その後観る方法がなく、周りに同じファンもあまりいない状況で、もんもん(笑)としていました。」と話す。 そして、「イベントの情報を聞いて、まさかと思ったし、絶対行かなきゃ!と思ってここにきて、みんな同じ思いだったから実現したんだと感じて嬉しい」と、自分だけでなかった大勢の『マシュランボー』のファンと一緒にいることで喜びを分かち合った。 また、イベントではテレビシリーズDVD2009年1月21日に決定したことが発表されると大歓声が挙がった。さらに、このDVD特典には新録音のドラマCDがセットになることが発表され、CDに登場する新キャラクターを演じる山口勝平さんが登場すると、会場からはさらに大きな歓声があがった。ファンの情熱が、新たな物語まで生み出してしまった瞬間である。 イベントでは主題歌を歌う宮崎歩さんのミニライブ、そして、当時12歳だった主人公マシュラの20歳の成人バースデーも行なわれた。 こうした大熱気の中で、発表されたテレビシリーズDVDだが、実際に製作関係者を発売に動かしたものは何だったのだろうか。 『マシュランボー』のDVD発売のきっかけについて東映アニメーションのマシュランボー担当者は、次のように話してくれた。「一番大きな理由としては、番組放送当時12歳だった主人公のマシュラが、二十歳になることを記念して、再びマシュランボーでいろいろな企画を立てたことがきっかけです。」 また、マシュランボーの長年の人気ついては、「応援してくださるファンの方々の声に出来るだけお応えしようとしてきたことかなと思います。ファンの方々との接点として、公式サイトを番組終了後も更新し続けました。 “こういうことをやって欲しい!”というご意見や、これはきっと皆さんが喜んでくださるはずだ、と思うことは積極的に実現できるようにしてきました。今回の総集編DVDとコンプリートDVDの発売を機に、ファンの方との座談会や、オールナイト上映イベント、レアなグッズのプレゼントなど、マシュランボーファンの皆さんが喜んでくれるようなイベントも出来る限り行いました。」と話す。 長年にわたり作品を愛し続けるファンたち。そうした作品を愛する心が作り手側に届いたようだ。ファンと作品の幸せで持続的な関係が、新たな『マシュランボー』を生み出したのかもしれない。 こうして今年1月21日に誕生した「『マシュランボー』コンプリートDVD」は、全32話収録本編5枚、ボーナスディスク1枚の豪華仕様となった。ボーナスディスクには、先のイベント「マシュラ生誕20 周年 朝までゴーバク祭!」を収録するほか、音泉で配信されたネットラジオ全4 回 、コミック版マシュランボー3D サウンドスペシャルドラマ(音声ドラマ)もつく。(C)東堂いづみ・東映アニメーション『マシュランボー』公式サイト /http://www.toei-anim.co.jp/tv/mashura/発売中【初回生産限定】 マシュランボー コンプリートDVD 36,750円(税込)全32話/COLOR/4:3/片面2層/ステレオ/6枚組<5枚(本編)+1枚(ボーナスディスク)>■封入特典:解説書 ■ピクチャーレーベル発売元:東映アニメーション・東映ビデオ 販売元:東映(C)東堂いづみ・東映アニメーション