【インディーズからプロになること】 後半はインディーズアニメをテーマに審査員一同でのトークセッションが行われた。まず渡辺さんは、PCの普及やツールの向上によって一人でできることが増したことを素直に「羨ましい」と語る。 プロとして作品を作るためには効率やスケジュールに加えて、コンテクスト(作品の文脈)が要求される。それらを崩して全て自由にできる点、さらにネット配信ができるなど多くの人に見てもらえる環境が整い、できることの可能性が増したと語る。 アベさんの話題は、横山隆一さんの主催する「おとぎプロ」での修行時代にさかのぼった。この頃は短編を最初から最後まで一人で制作しており「今日インディーズアニメを見て、その頃の清々しい気持ちを思いだした」と語った。 インディーズからプロになるということについて壇上で一致したのは、首都圏以外の若者にとってプロになる道として専門学校の門を叩くしかコネクションの取り方がないという状況である。審査員の方々はプロダクションの経営者でもあり、実力がある人は専門学校でのやり方を学ぶよりも、すぐにプロダクションの門を叩いてプロのやり方を学んでほしいと語った。 また、日本アニメーター・演出協会「JAniCA」では現在、プロのための講座も開催しており、現場で技術を伝える手段はいくつも用意しているという。 【インディーズ今後の期待】 渡辺さんは自主制作アニメグループ「アニメーション80」の出身で、JCGLというプロダクションに入社した経験を語る。そこではPCを使った制作を行った最初の会社のうちの一つで、スペックの少なさやデジタルに移行する時の苦労話を語った。 デジタルアニメツール「RETAS!」を開発したセルシスの社長もJCGL出身者で、その時の苦労が実ったのではという。 今後インディーズアニメに期待することとして、アベさんは「作品レベルの高さに驚いたので、プロになる意思があるひとは相談してほしい」と人材に希望を持つ言葉を述べた。 岡迫さんは「原点を見させてもらって非常に楽しかった。アニメの世界に入って50年、まだまだ頑張っていきたい」と語る。 渡辺さんは「私たちのようなコンテクストとは違った、テレビでは見られない解放された作品を作り続けてほしい」とインディーズの可能性にかける思いを語った。 金山さんは「独創性を大事にして、楽しく作ってほしい。私も岡迫さんと同じ50年になるがペースメーカーを付けながら楽しんで作っている。若い皆さんは意欲を持ち続けてがんばってほしい」と、参加者にベテランならではの励ましの言葉を送った。 【日詰明嘉】/第6回インディーズアニメフェスタ レポート 前編へ当サイトの関連記事/第6回インディーズアニメフェスタ 受賞作品決定 第6回インディーズアニメフェスタ 受賞作品(再掲) ■ グランプリ<三鷹賞> 『福来町、トンネル路地の男』 岩井澤健治 ■ アベ正己賞 『彼らは、』 伊藤公規 ■ 岡迫亘弘賞 『CUT』 さかしたのぶよし ■ 金山明博賞 『mama & marmalade & me』 山下順平 ■ 渡辺純央賞 『shift』 八木智子 ■ 特別賞 『PRESENT』 翠緯泰
「ガラスの仮面」「フルバ」「暁のヨナ」…花とゆめ創刊50周年記念! 名作&キャッチコピーが車内広告に 2024.4.18 Thu 12:45 白泉社の少女マンガ雑誌『花とゆめ』は、2024年5月に創刊50周年…