3月7日に東京大学・本郷キャンパスで開催されたコンテンツインターシップフォーラム2006は、コンテンツ、特に映画やアニメ、ゲームの分野における大学外教育の現状分析と問題点を語るものであった。 このフォーラムでは、第1部でインターシップを取り巻く現状報告や問題点に焦点をあてる講演が複数行われた。それぞれが異なる視点からインターシップのありかたを考える意義のあるものだった。 まず、今回の主催者のひとつである映像産業機構からの報告では、同団体が行う「三方得インターシップ」の内容と評価・総括が行われた。報告の中では、研修に参加した学生の満足感が非常に高いとされており、学生の側からみたこの取り組みが大きな成果があることが判った。 しかし、現状のコンテンツ分野のインターシップには数多くの課題があることも事実である。東京大学大学院情報学環藤原正仁特任研究員によるコンテンツインターシップの現状報告からは、インターシップの時期や期間にまだまだ改善の余地が多いことが判る。 また、企業から指摘された大きな問題点に学生のビジネスマナーの欠如、目的意識の低さが入っているのは残念である。 藤原氏は今後の課題としてインターシップの量的拡大、質的拡大を挙げ、そのためにはインターシップ専門の人材が必要でないかと提案している。さらには、同じ人材開発の中でもプロデューサー育成を遅れている分野として取り上げている。 プロデューサー育成には求められる像や教育目標の明確が必要だとし、そのなかでインターシップをカリキュラムにどう位置づけるかが課題だとした。 さらに、世界コーオプ教育協会の斎藤敬子理事は、インターシップ全体のなかでの産学連携の意味を説明した。東京大学大学院情報学環本田由紀助教授は、近年の大卒者の就業意識と離職動向をもとに、大規模な採用のミスマッチが起きているとしている。その問題を解決するためにも、インターシップが重要であるという。 就業のミスマッチに関して言えば、華やかに見えるが就労条件が厳しいコンテンツ産業にこそ、最も重要な問題である。そうした意味で、コンテンツ分野のインターシップの量的拡大も求められ、その質を上げるためにも今回のような議論が必要とされているに違いない。インターシップ講演会発表題目報告「三方得インターシップ」の取り組み 高橋良典(映像産業振興機構)報告「コンテンツ分野におけるインターシップの現状と課題」 藤原正仁(東京大学大学院情報学環 特任研究員)講演「日本のインターシップの現状とコーオプ教育」 斎藤敬子(世界コーオプ教育協会 理事)講演「高等教育機関における職業教育」 本田由紀(東京大学大学院情報学環 助教授)/コンテンツインターシップフォーラム2006 /映像産業振興機構 /三方得インターシップ/東京大学大学院情報学環 /世界コーオプ教育協会 インターシップ推進支援公式サイト