海外のコミックスやバンドデシネの紹介を続ける小学館集英社が、また新たなジャンルに乗り出す。米国のノンフィクション・コミックの傑作として高く評価された『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』を翻訳、この3月に発売した。 『ファン・ホーム』は著者アリソン・ベクダルさんが、自身の体験をもとに執筆したコミックである。レズビアンである主人公のアイデンティ、そして幼少期からの父親との複雑な関係を描く。国内ではアメリカン・コミックスというと、『スーパーマン』や『スパイダーマン』などのスーパーヒーローのイメージが強い。それとは異なった米国のコミックス文化を感じることが出来る作品だ。翻訳は北米マンガ・コミックスの研究者、出版エージェントでもある椎名ゆかりさんが手がけた。 本作の米国での出版は2006年、発表以来、大きな反響を受けてきてきた。同性愛、親子関係というテーマが核にある一方で、ジョイスの『ユリシーズ』やプルーストの『失われた時を求めて』といった、文学作品を引用などが、作品にさらに奥行きを与える。 その評価の高さはアイズナー賞最優秀ノンフィクション賞受賞、フランス・アングレーム国際バンドデシネフェスティバル優秀作品賞ノミネート、そしてコミックスとしては異例の全米批評家協会賞最終候補作品という経歴からも分かるだろう。 出版する小学館集英社プロダクションは、近年、脚光を浴びる海外のコミックス、バンドデシネのムーブメントの中心的存在だ。これまでに『ウォッチメン』や『アンカル』など話題作の邦訳出版を行なっている。その同社が敢えて世に送り出すということだけでも、十分注目していいだろう。『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』著: アリソン・ベクダル訳: 椎名ゆかり定価: 2625円(税込) 小学館集英社プロダクション刊行物案内 /http://books.shopro.co.jp/
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