ゲームやマンガなどの大手エンタテイント企業スクウェア・エニックスは2010年秋より、北米とフランスの両地域で、自社によるPCに向けの翻訳マンガコンテンツ有料配信ビジネスを開始する。同社はこれまでにPSPを通じたマンガ配信は行ってきたが、自社の独自のシステムによる直接販売は初めてとなる。 また、海外でPC向けの有料販売を自ら手掛ける初めての日本のマンガ出版社となる。電子書籍の展開が話題になる中で、同社のグローバルなマンガビジネスに対する積極的な取り組みが注目される。サービスの開始時期、タイトル数、価格については、今後発表予定とする。 新事業は、同社が現在運営している会員サイト「スクウェア・エニックスメンバーズ」の有料サービスとして展開する。これまでゲーム事業において培ってきた同社のコンテンツ配信技術や決済システム、オンラインコミュニティを活用する。 スクウェア・エニックスによれば、今回のスタートは電子書籍普及するタイミングを捉えたものだ。有料配信をスタートすることで、日本の翻訳マンガに対する現地読者の多様なニーズを取り込む。さらにパートナーシップを持つ各国の翻訳出版社と、ウェブと書籍双方のプロモーション協力をする。また、正規の有料配信を行うことで、海賊版流通の抑制を目指す。 スクウェア・エニックスは7月発表された日米両国の出版社による海外での違法マンガ流通サイトへの警告において、デジタルコミック協議会以外から加わった数少ない企業である。同様に米国でスクウェア・エニックス作品を数多く手がけるYen Pressも、この動きに協調した米国翻訳出版社3社のひとつである。 スクウェアはこれまで海外での翻訳マンガ出版は、各国の翻訳出版社に対するライセンス販売により展開して来た。その数はおよそ20ヶ国で、数々のヒット作を生み出している。国内でも人気の高い『鋼の錬金術師』(荒川弘著)は、海外での累計発行部数が1000万部を超えるほどのヒットになっている。現在は、『ソウルイーター』や『黒執事』などに人気が集まっている。 特に今回新事業をスタートする北米とフランスは、日本の翻訳マンガの海外2大市場である。最も大きな市場から、まず進出する。オンラインを通じることで、各国の市場への直接の足掛かりを築く。 このマンガの有料配信サービスは、7月22日より米国サンディエゴ市で開催がスタートしたポップカルチャーの大型イベントComic-con International(サンディエゴ・コミコン)のスクウェア・エニックスブースでも実機によるデモンストレーションを行っている。これに合わせ、サービスの紹介として北米、ヨーロッパのグループ各社のウェブサイト上で『鋼の錬金術師』、『ソウルイーター』、『黒執事』、『サタン』の第一話を無料で配信を行っている。 今年のコミコンでスクウェア・エニックスは、会場の中でも目立つ大型ブースで出展した。会場には人気マンガ作品の作者からコミコンのファンに向けた直筆のメッセージの展示など、マンガ関連の展示にも広く場所を取る。有料配信サービスのチラシも大量配布し、現地でのマンガビジネスに大きな力を入れる。スクウェア・エニックス /http://www.square-enix.com/jp/北米・フランスにおけるコミックコンテンツの有料オンライン配信開始時期: 2010年秋予定利用料金または価格 :未定
「ワンピース」日本IP初、米アメフトチームとのタイアップゲームが実現!モニタージャックやグッズ配布を実施 2023.11.21 Tue 12:00 『ワンピース』と米・アメリカンフットボールチームの「LOS ANG…