
日本を代表するアニメスタジオである東映アニメーションが制作を手掛け、長年手塚治虫の作品に取り組んできた手塚プロダクションが制作協力する。長い日本アニメの歴史のなかでも、両社が手を組む初めての作品となる。
映画の原作となる『ブッダ』は、仏教の開祖であるシッダールタの生涯を手塚が10年以上にわたる連載のなか壮大な規模で描いた。手塚、晩年の傑作である。作品は国内では累計およそ2000万部を発行、さらに英語、仏語、ポルトガル語、韓国語、中国語、スペイン語、イタリア語に翻訳出版され世界中で読まれ、高く評価されている。
特に米国では、Vertical から発売された翻訳版の1巻、2巻が2004年に、3巻、4巻が2005年にアイズナー賞の最優秀海外作品賞を受賞している。アイズナー賞は、米国コミックス界の最高峰として知られている。

第1部ではシャカ国の王子 ゴータマ・シッダールの誕生から思春期までを描く。厳しい階級社会に疑問を抱くようになり、人を救えるのなら高貴な身分を捨ててもいいと願うシッダールタ。そして、シャカ国に攻め入るコーサラ国軍の指揮をとるのは最下層の身分から立身出世しようとする勇者チャプラ。二人の出会いが壮大なドラマの幕を切り落とす。
映画の声優陣には、こうした物語に相応しい大物俳優が揃った。ナレーション・チャプラの母を吉永小百合さん、チャプラ役に堺雅人さん、スッドーダナ王役を観世清和さん、マリッカ姫役を黒谷友香さんが演じる。そして、シッダールタ役を演技派で知られる吉岡秀隆さんが担当する。
マンガの巨匠として知られる手塚治虫さんが自身のアニメーションを作るため、手塚治虫プロダクション(のちの虫プロ)動画部を設けたのは1961年である。映画公開となる2011年は、手塚がまさにアニメに乗り出してから50年目となる。
記念すべき年に登場する『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』が、話題の大作映画となりそうだ。

(c)2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会
『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』
公式サイト /http://wwws.warnerbros.co.jp/buddha/
2011年5月28日全国ロードショー
配給: 東映/ ワーナー・ブラザース映画
[キャスト]
ナレーション・チャプラの母: 吉永小百合
チャプラ: 堺 雅人
スッドーダナ王: 観世清和 (能楽観世流二十六世家元)
シッダールタ: 吉岡秀隆
シッダールタ幼少期: 折笠愛
チャプラ幼少期: 竹内順子
ブダイ将軍: 玄田哲章
ミゲーラ: 水樹奈々
ナラダッタ: 櫻井孝宏
ジョーテカ: 世三郎太
マリッカ姫: 黒谷友香
[スタッフ]
原作: 手塚治虫
監督: 森下孝三
脚本: 吉田玲子
演出: 古賀豪
音楽: 大島ミチル
歴史アドバイザー: ひろさちや
キャラクターデザイン・総作画監督: 真庭秀明
美術監督: 行 信三
イメージアート: 岡野玲子
製作: 「手塚治虫のブッダ」製作委員会
制作: 東映アニメーション
制作協力: 手塚プロダクション
東映/ワーナー・ブラザース映画 共同配給
助成: 文化芸術振興費補助金