2月6日、ロサンゼルスのUCLA ロイスホールにて、今年のアニー賞の授賞式が行われた。このうち最優秀美術賞を『コララインとボタンの魔女 3D』のコンセプトアートを担当した上杉忠弘さんが受賞した。アニー賞は国際アニメーション協会(ASIFA)ハリウッド支部が主催するもので、アニメのアカデミー賞とも呼ばれることがある。 劇場やテレビなど広い範囲から、前年に大きな功績のあったアニメーションを表彰する。米国の賞ということもあり、これまで日本からの受賞は宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』などだけで数少ない。特に海外の作品への参加する日本人の受賞というこれまでにないかたちは快挙と言えるだろう。 (C) Focus features and other respective production studios and distributors. 『コララインとボタンの魔女 3D』は、ニール・ゲイマンさんの児童小説をヘンリー・セリック監督が人形を使ったストップモーション・アニメーションとCGアニメーションを融合させて完成させた。その世界観と映像が高い評価を受けている。 アカデミー賞をはじめ、これまで多くの映画祭のアニメーション部門でノミネートを果たしている。今回、アニー賞では併せて最優秀音楽賞、最優秀キャラクター・デザイン賞も受賞し、存在感を発揮した。 上杉忠弘さんはこの映画のコンセプトアートを担当し、キャラクターや建物などビジュアルイメージは、上杉さんのイラストをもとに膨らまされている。コンセプトアーティストとして映画の中核のひとりになっている。 上杉さんは1966年生まれ、セツ・モードセミナー出身で、卒業後、アンアンやJJなどの女性誌でイラストレーターとして活躍した。その後、企業広告やパッケージ、映画ポスター、CDジャケットなどの活動の場を広げていった。 フランスのバンド・デシネ、アメリカのイラストレーションやUPA などのアニメーションのスタイルに影響を受けるとされるエレガントな作風は、自由さと古典的な感覚の同居が特徴である。海外では、立体物をデザイン的視点で再構成する手法が評価されている。上杉忠弘さん受賞コメント「まさか自分が受賞すると思っていなく、今日はスタートレックのカーク船長が司会というのもありお客さん気分で楽しんでいたので、名前を呼ばれた瞬間は、頭が真っ白になりました。スピーチについては本当に準備をしていなかったので、「ありがとうございました、非常にハッピーです」とだけ英語で言って「自分はアメリカの50-60年代のアニメーションに影響を受けてこの仕事をしています。なのでここアメリカでこういった名誉ある賞を受けられて光栄です。」 と日本語で言いました。監督からもおめでとう、おめでとうと何度も言ってもらえ、とても嬉しい気持ちでいっぱいです」『コララインとボタンの魔女 3D』 /http://coraline.gaga.ne.jp/2/19(金)より TOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて全国3D公開 コララインのメインイメージ コララインが新しく引越したおうち「ピンクパレスアパート」の外観
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