これまでアニメーション映画祭と言えば短編アニメーションというイメージが強かったが、アニマはいち早く長編アニメーションを重視することで国際的に注目されたアニメーション映画祭である。そうした中で、日本の劇場アニメを頻繁に取り上げたことでも知られている。
映画祭は今年も、100本以上の短編アニメーションとあわせておよそ50本の長編アニメーションをプログラムに組み込んでいる。この長編アニメーションの中に、日本アニメが7作品含まれている。
なかでも注目されるのは、長編アニメーションのコンペティション部門の公式出品作品。『ファースト・スクワッド』と『マイマイ新子と千年の魔法』と『よなよなペンギン』が9本の候補作品に中に選出された。
『ファースト・スクワッド』は、STUDIO 4℃がロシア、カナダと共同製作したもの。芦野芳晴監督が第2次世界大戦時のソビエトを舞台に超能力部隊の活動を描いたSF作品である。
『マイマイ新子と千年の魔法』は片渕須直監督、『よなよなペンギン』はりん たろう監督の最新作。いずれも制作はマッドハウスで、日本では昨年暮れに公開され注目を浴びた。
このほかのコンペティション以外の公式上映として『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、『ジーニアス・パーティ・ビヨンド』、『ストレンヂア 無皇刃譚』、さらに『パンダコパンダ』がリストに入る。『パンダコパンダ』は、現在のものだけでなく過去の優れた作品を広く紹介するというアニマの方針を反映したものと言えるだろう。
実際に今年のアニマでは『ウォーターシップダウンのうさぎたち』といった懐かしい名作も上映している。
一方、短編アニメーションの公式作品には40本近くの作品が挙げられたが、日本からは水江未来さんの『JAM』だけ、学生部門には選出がなくやや寂しい結果となった。短編アニメーションでは、このほか長尾武奈さん作『チェーンソー・メイド』が上映される。
第29回ブラッセル国際アニメーション映画祭(アニマ2010
/http://www.anima2010.eu/