米国アカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーは、11月11日に、2009年長編アニメーション部門の選考対象作品20作を発表した。この中には今年8月の全米公開で、好評を博した宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』の名前も挙がった。 また、手塚治虫さんのマンガ『鉄腕アトム』をハリウッドと香港で大作CGアニメーションとした『ATOM』、ディズニー/ピクサーの話題作『カールじいさんの空飛ぶ家』、アヌシー国際アニメーションフェスティバル 長編部門グランプリ受賞の『Mary and Max』と『Coraline』などの作品が連なる。
残りの作品はなかなか判断し難い。20作品のうち7作品が年末に向ってこれから公開をするため、現状では映画の評判などが聞こえない。 この中から敢えて可能性の高い作品を選ぶなら『The Princess and the Frog』である。『The Princess and the Frog』は、ウォルト・ディズニーが2Dアニメーションスタジオを再開して製作した久々の2D大作である。現在の最注目作で、作品の内容次第でノミネートの有力候補になる。
一方で、フルCGのアニメーションが多数並び、ここでは競争がかなり激化しそうだ。『カールじいさん』以外では、既に興行的に大ヒットとなった『くもりときどきミートボール』、『アイスエイジ3』、『モンスターVS エイリアン』、先日公開したばかりのロバート・ゼメキス監督の『クリスマス・キャロル』などは有力だ。 興行的に平凡な結果となった『ATOM』、『Battle for Terra』は苦しく、今後公開する作品も余程強い印象を残さなければ厳しい。
アート系の作品も見逃せないが、これだけ有力候補が多いと5枠でもノミネート入りは辛そうだ。アヌシー受賞作だけでも『Mary and Max』、『Coraline』の2作品、それに『The Secret of Kells』、『9』がある。最も可能性が高いのは興行的にも当たった『9』、次いで『Mary and Max』といったところだろうか。 ノミネート作品の発表は2010年2月2日、さらに3月7日の授賞式にその発表された作品の中から受賞作品が決まる。