スイス・ロカルノで開催中のロカルノ国際映画祭で、細田守監督の最新作『サマーウォーズ』が8月12公式上映を行った。『サマーウォーズ』はアニメーション映画としては、初めてロカルノ国際映画祭のインターナショナル・コンペティションの出品されたこともあり、現地でも大きな関心を呼んでいる。 上映に先立ちPalazzo Morettini行われた公式記者会見には、細田守監督とキャラクターデザインの貞本義行さんが出席したが、通常の3倍もの記者が詰めかける大盛況となった。今年のロカルノでは日本アニメーションの大特集が組まれアニメへの注目が増しているが、それを差し引いても破格の扱いと言っていいだろう。 (c) FOTOFESTIVAL / PEDRAZZINI 公式上映にはメディアと一般観客およそ3000人が集まり、日本の最新アニメに見入っていた。満員の会場は途中で席を立つ人はおらず、映画終了後には、大勢の観客が立ち上がり熱狂的な拍手、スタンディングオベーションで映画を賞賛し、拍手が鳴り止むことがなかった。 会場では細田守監督は、「日本ではすでに公開されていますが、海外では一番最初に皆さんに見ていただけるということで、非常に緊張しています。日本のサムライの末裔の家族の物語です。夏の家族アクション映画ですので、皆さん気楽に楽しんでください」と挨拶を行った。 また貞本義行さんは、「今回のこの作品では、日本の普通の家族をモチーフにデザインしました。日本の普通の文化を知る上でも、楽しんで貰えれば光栄です」と語った。 既に数多くのコンペティション作品が上映されているロカルノの会場だが、『サマーウォーズ』は今年の金豹賞(グランプリ)の有力候補に踊り出たと言って間違いないだろう。 地元スイスの有力日刊紙ジュネーブ・トリビューンは、『サマーウォーズ』について「我々はこの独特で偉大なストーリーテーラーを十分言い表す形容詞を持たない。そこには伝統と近代性が共存している」と評する。そして、「息をつかすことのないシナリオ、詩的でユーモアに溢れており、金豹賞(Golden Leopard)の理想的な候補」と最大級の賛辞をおくっている。 コンペティション部門受賞作品の発表は、スイス現地時間8月15日(日本時間16日未明)を予定している。日本作品ではこれまで、1970年に実相寺昭雄監督『無常』、2007年に小林政広監督の『愛の予感』が金豹賞を受賞している。ロカルノ国際映画祭 /http://jahia.pardo.ch/jahia/Jahia/home/lang/en『サマーウォーズ』 公式サイト /http://s-wars.jp/8月1日(土)新宿バルト9、池袋HUMAXシネマズ、梅田ブルク7他全国ロードショー
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