米国のアニメーション製作会社大手のドリームワークスアニメーションSKGが、7月28日に2009年第2四半期の決算発表を行った。 今年6月末までの売上高は3億9400万ドルの32.4%増と前年同期の2億6300万ドルを上回った。しかし、第2四半期ベースでは売上高1億3200万ドルと前年同期の1億4200万ドルを6.7%下回った。 営業利益では半期で1億1700万ドル(前年同期7200万ドル)、純利益は8800万ドル(同5400万ドル)である。いずれも同様に半期では前年を上回ったが、第2四半期では減少である。 これは前期には大型作品『カンフー・パンダ』の劇場公開が第2四半期にあり、今期は『モンスターVSエイリアン』の公開が第1四半期に置かれたためと考えられる。 上半期だけをみれば堅調な業績を残したドリームワークスアニメーションだが、下半期を眺めるとやや不安な要素が残る。 ひとつは米国内でおよそ1億9700万ドルの興行収入となった『モンスターVSエイリアン』が、海外市場で伸び悩んだことだ。同作の6月末まで海外興収は1億7900万ドルと、国内市場のそれを下回っている。ドリームワークスアニメーションの映画の海外興収が、国内のそれを下回ったのは初めてのケースである。これが第2四半期の業績にも影響を与えている。 『モンスターVSエイリアン』の米国でのDVDとBDは、9月29日の発売が決定している。国外の映像パッケージ販売もそれに続くことになるが、映画興行の結果はパッケージ販売動向に直結するだけに海外市場の動向に今後は目が離せない。 また、下半期には新たな劇場映画の公開がないことも業績を押し下げる結果となるだろう。同社の次の映画は、2010年3月の『How to Train Your Dragon』である。 下半期は『マダガスカル2』の有料テレビ放映の収入が期待出来るが、『カンフー・パンダ』も含めて昨年の映画の収益化は上半期でほぼ一段落している。 このため下半期は『モンスターVSエイリアン』の二次展開への業績依存が一気に高まる。『モンスターVSエイリアン』のパッケージ販売がどの程度の伸びるのか、あるいはゲーム展開や「シュレック ミュージカル」のような旧作の新たな活性化策が業績の鍵を握る。 ドリームワークスアニメーションは、来年3本の劇場映画の公開を予定している。2009年は上半期の利益を下半期でどれだけ維持をして、来年につなげるかが経営目標になる。ドリームワークスアニメーションSKG/http://www.dreamworksanimation.com/
生成AIの急激な進歩はアニメにどのような影響を与えるか?『シドニアの騎士』瀬下寛之監督×アニメチェーン設立者が描くクリエイティブの未来【対談】 2024.4.17 Wed 17:00 急速な発展が、様々な議論と話題を呼ぶ生成AI。エンターテイン…