「デジタルコンテンツ白書2009」発刊 市場規模は13兆8282億円 | アニメ!アニメ!

「デジタルコンテンツ白書2009」発刊 市場規模は13兆8282億円

 コンテンツ産業の様々なデータがまとめられた『デジタルコンテンツ白書2009』(財団法人デジタルコンテンツ協会発刊)が、8月27日に刊行された。

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 コンテンツ産業の様々なデータがまとめられた『デジタルコンテンツ白書2009』(財団法人デジタルコンテンツ協会発刊)が、8月27日に刊行された。

 白書によると、「映像」「音楽・音声」「ゲーム」「図書・新聞・画像・テキスト」と、国内のコンテンツ産業を4つにジャンル分けし、全てを合わせた2008年の市場規模は、13兆8282億円であった。この数値は、前年比2.6%減(2007年は13兆8180億円)であり、市場規模は総じて減少傾向となっている。コンテンツ、それぞれの価値観・楽しみ方が多様化していることによってメガヒットが生まれにくくなっていることや、経済状況のさらなる悪化が、市場規模減少の主な要因と考えられている。
 流通メディアの構成比は、「パッケージ流通(出版など)」「放送(TVなど)」「拠点サービス流通(映画、カラオケなど)」「インターネット流通」「携帯電話流通」の順となっている。この順位・割合は過去ほぼ変化がないが、パッケージや拠点サービスによるコンテンツ流通の割合が徐々に減少しており(2007年より50%をきっている)、インターネットや携帯電話による流通の割合が増加傾向にある。音楽・動画、ニュースの配信や電子書籍などの普及によって、パッケージからインターネットや携帯電話への置換が引き続き進んでいるものとみられる。

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 アニメーション業界は、引き続き厳しい状況が続いている。テレビシリーズの制作本数はピーク時の2006年から減少傾向が続いており、DVDなどの映像ソフト市場も縮小している。昨今の経済不況の煽りをもろに受けているテレビ放送各局が、制作コストの高いアニメーション番組を減少させる可能性も無きにしも非ずで、この厳しい状況はしばらく続きそうだ。
 そんな中、2008年は劇場版アニメーションの興行成績が上り調子だった。2008年の劇場版アニメーションの興行収入は300億円を超えており、これは同年7月に公開された宮崎 駿監督の『崖の上のポニョ』公開の影響が大きい。同作の興行収入は155億円に達し、2008年公開された全映画のトップに立つなど、相変わらずの強さを見せつけた。

 マンガ業界は、雑誌・単行本ともに販売金額は減少しており、その市場規模のマイナス傾向が続いている。『ヤングサンデー』(小学館)や『マガジンZ』(講談社)など、大手出版社のメジャー誌が休刊に追い込まれるなど、マンガ業界の苦しさを象徴するような出来事も起こった。
 一方、2008年は、本格的にマンガのデジタル化が進み、電子コミック・ケータイコミック市場は、好調だ。とはいえ、全ての電子コミックが好調というわけではなく、出版社が自社コンテンツを配信する「出版社型」の電子コミックは苦戦を強いられている状況である。各出版社と提携して作品を書店棚のように展開する「書店型」の電子コミックは、順調に売り上げを伸ばしている。
【遠藤麻衣】

財団法人デジタルコンテンツ協会 /http://www.dcaj.org/
デジタルコンテンツ白書2009 /http://www.dcaj.org/dcwp/index.html

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