アニメーション映像パッケージの大手バンダイビジュアルは、11月25日より「EMOTION the Bestシリーズ」シリーズをスタートする。EMOTION the Bestシリーズは旧作の人気テレビアニメをDVD-BOXとして、お得感のあるスペシャルプライスで発売するものである。 11月25日に『スクライド』と『無限のリヴァイアス』、1月27日に『機甲戦記ドラグナー』、さらに3月26日には『THEビッグオー』が登場する。
一般にバンダイビジュアルのアニメDVD、ブルーレイの価格戦略は、高価格高付価値とみられている。しかし、ここ1、2年同社はこうした戦略の見直しを行っているようだ。 今回のEMOTION the Bestシリーズだけでなく、アニメの廉価版DVDの発売を増やしているからだ。その中心は旧作を新パッケージにして値段を下げるものである。昨年秋からは大型シリーズとして初期ウルトラシリーズを4話収録1890円としている。またこの7月には、劇場版ガンダムのDVDを各巻3000円として発売する。 こうした旧作アニメの多くは、これまでの商品で製作費の回収が終わっている。たとえ価格を引き下げても、利益率の高い効率的なビジネスとなる。また、映像パッケージの中心が今後ブルーレイに以降するとすれば、DVDとして発売する最後のチャンスでもある。
ただし、最近のバンダイビジュアルの価格見直しは、旧作アニメだけに止まらない。8月に発売が始まる『真マジンガー 衝撃!Z 編』は、1巻は2100円(税込)、2巻以降は各巻3990円(税込)と、こちらも従来の価格帯よりややしたとなっている。同じく8月から発売が始まる『こんにちは アン~Before Green Gables』は、3話収録で税込1890円。 こうした商品はこれまでバンダイビジュアルが得意としてきたアニメファン、DVDコレクターでない、もっと幅広い層への購買拡大を狙っているとみられる。業界有数映像パッケージメーカーは、アニメの市場拡大に一般層へのアプローチを強めているようだ。