チェコのアニメーション作家であるイジー・バルタ氏が監督したアニメーション映画『屋根裏のポムネンカ』が8月1日より順次劇場公開される。この『屋根裏のポムネンカ』は、イジー・バルタ氏にとって『笛吹き男』以来24年ぶりとなる長編新作だ。 3月に東京ビッグサイトで開催された東京国際アニメフェア2009では、『屋根裏のポムネンカ』のジャパンプレミア上映やシンポジウムも開催された。国内での配給は大阪の映像制作会社アットアームズが行っている。 同社はチェコのアニメーション作品などの国内販売権を一部有している。アニメフェアではブースで『屋根裏のポムネンカ』などの紹介を行っていた。 『屋根裏のポムネンカ』は、人形を用いたストップモーションをベースに2Dのドローイングや実写の人物・動物も映像に取り入れている。シンポジウムでバルタ監督は、「自分の子供時代を思い出してみると、当時はすごく完成したオモチャを与えられていたわけではなく、家にある道具でそれを何かに見立てて遊ぶという事をやっていたので、それをこの映画で表現したかった」と述べていた。 また「大人にとって不思議だと思えるものを子供には面白がってもらえるのではないか」とも述べていた。撮影に使われた人形は様々な素材を組み合わせ、独特のものに仕上がっている。この映画を観た人にも、バルタ監督の意図が充分に伝わってくるに違いない。 またシンポジウムでは、プロデューサーであるミロスラフ・シュミットマイエル氏が社会的な背景も含めて語っていた。ビロード革命以前の共産政権下では、政治的の強いプロパガンダ作品の制作を避けるために子供向けの作品制作を選択した。そのため、必然的に子供向けの作品に一流の作家が集う結果になったという。 一方、観客からは、チェコでのアニメーション制作環境についての質問もなされていた。それに対するシュミットマイエル氏の発言で気になったのは、チェコでは2Dより3Dを作りたいという世代が多く育っているということだった。 シンポジウムの中で、バルタ監督は自身を「変化やスピードが求められるのとは違うタイプ」と分析していた。それもまた、バルタ監督がチェコアニメーション界最後の巨匠と称される所以なのかも知れない。 (c) BIO ILLUSION s.r.o. 『屋根裏のポムネンカ』は、8月1日に渋谷のユーロスペースを皮切りに、8月8日に大阪のシネマート心斎橋と京都シネマで公開される。以降は福岡、名古屋、札幌などとなっている。【真狩祐志】屋根裏のポムネンカ /http://www.a-a-agallery.org/intheattic/アットアームズ /http://www.a-armz.org/
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