創通 第3四半期減収減益 ひぐらし、瀬戸の花嫁に次ぐヒット不在 | アニメ!アニメ!

創通 第3四半期減収減益 ひぐらし、瀬戸の花嫁に次ぐヒット不在

 アニメ企画・製作の創通は、7月7日に平成21年8月期第3四半期(20年9月~21年5月)の決算発表を行った。
 第3四半期までの連結売上高が106億2800万円と前年同期比で17.7%減少したほか、営業利益は12億6800万円(同24.8%減)、経常利益は12億9000万円(同26.8%減)、四半

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 アニメ企画・製作の創通は、7月7日に平成21年8月期第3四半期(20年9月~21年5月)の決算発表を行った。
 第3四半期までの連結売上高が106億2800万円と前年同期比で17.7%減少したほか、営業利益は12億6800万円(同24.8%減)、経常利益は12億9000万円(同26.8%減)、四半期純利益は6億3300万円(同33.3%減)となった。前期比での下げ幅の大きさが目立つ結果となった。

 売り上げの減少は、創通が行うふたつの事業がそれぞれ別の要因で伸び悩んだためである。ひとつはテレビアニメ番組製作の減少で、もうひとつは就職市場の縮小である。
 就職情報事業子会社のジェイ・ブロードは、新卒採用環境の悪化により、前年同期比で採用広告収入を大きく減少させた。この結果、営業利益も押し下げることになった。

 一方、テレビアニメは製作番組数の減少と企業の広告予算の縮小が重なり、スポンサー企業が新作への投資に慎重となっている。この結果製作委員会の組成が後倒しになる傾向が強まり、経営環境は悪化している。
 しかし、4月から製作出資を行った『咲-Saki-』がスタートし、7月からは『うみねこのなく頃に』が放送を開始するなど、通期のアニメ番組への製作出資、製作委員会への参加作品は期初の計画通り10作品に達した。プロデュース、取扱作品の16作品も計画通りである。

 キャラクター商品の広告収入とプロモーションは、「スーパーロボット大戦」シリーズ、「機動戦士ガンダム」シリーズなどが計画通り推移したが、大型キャンペーンの集中した前年同期には及ばなかった。
 これらを含むメディア事業全体の売上高は77億6100万円と前年同期比20.8%減となったほか、営業利益は2億4500万円(同53.4%減)であった。

 ライツ事業も伸び悩んだ。「ガンダム」シリーズは計画通り堅調に推移したが、それ以外の作品が振るわなかった。前期は『ひぐらしのなく頃に』シリーズや『瀬戸の花嫁』シリーズがあったが、それに続く大きなヒット作がなく、売上高は減少した。
 ライツ事業の売上高は18億9000万円(前年同期比16.5%減)、営業利益は9億7600万円(同16.4%減)となった。スポーツ事業は読売巨人軍の日本シリーズ進出による球団グッズの売上高増加などにより売上高は9億7600万円(同15.4%増)、営業利益1億1300万円(同111.8%増)と堅調だった。

 創通の業績は主力事業のガンダムを基盤に、他の事業やアニメ作品でどの程度、業績を伸ばせるかが変わって来る傾向がある。今期は、新作の大きなヒット作品がなかったことが響いているようだ。
 第4四半期以降は、4月新番の『咲-Saki-』、7月新番『うみねこのなく頃に』が、どの程度ファンから支持されるかが通期の業績の行方を決めることになりそうだ。

創通 /http://www.sotsu-co.jp/
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