アヌシー国際アニメフェス開幕 日本勢の作品の行方は? | アニメ!アニメ!

アヌシー国際アニメフェス開幕 日本勢の作品の行方は?

 6月8日、フランスのアヌシー市で、アヌシー国際アニメーションフェスティバルが開幕した。このアヌシー国際アニメーションフェスティバルは、カンヌ国際映画祭から独立して1960年より開始された、歴史が古く、権威のあるフェスティバルとして知られている。
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 6月8日、フランスのアヌシー市で、アヌシー国際アニメーションフェスティバルが開幕した。このアヌシー国際アニメーションフェスティバルは、カンヌ国際映画祭から独立して1960年より開始された、歴史が古く、権威のあるフェスティバルとして知られている。
 長編部門では過去に『紅の豚』や『平成狸合戦ぽんぽこ』が、グランプリに該当する「クリスタル賞」を受賞している。また、最近新設された特別賞の第1回作品として『時をかける少女』の受賞もある。

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 最近はカンヌにも長編アニメーション作品が公式出品されるようになってきた。アヌシーにも見本市のMIFAやカンファレンスなどもあるが、やはり花形はコンペティションである。
 コンペティションの中でも、特に短編部門が関心が高い。近年の短編部門における国内作品の「クリスタル賞」は、山村浩二氏の『頭山』、そして昨年は加藤久仁生氏の『つみきのいえ』が受賞したことは記憶に新しい。

 加藤氏の『つみきのいえ』は、第81回アカデミー賞の短編アニメーション部門で受賞したことでも知られる。アヌシー国際アニメーションフェスティバルは、アカデミー賞公認の映画祭でもある。アカデミー賞公認の映画祭でグランプリを受賞した作品は、アカデミー賞へのノミネートの選考対象となる。
 アヌシーを含め、ザグレブ、オタワ、広島で世界4大アニメーションフェスティバルと称されるが、ザグレブ、オタワ、広島もアカデミー賞公認であることは言うまでもない。

 第81回アカデミー賞では、フランスの『oktapodi』もノミネートしていた。この『oktapodi』は、昨年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルでは学生部門で受賞していた。
 一方、昨年のシーグラフのコンピューター・アニメーション・フェスティバルでは最優秀賞となっていた。CGの祭典として知られるシーグラフもまた、アカデミー賞の公認である。

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 今年のアヌシー国際アニメーションフェスティバルの国内作品に関しては、長編部門では『Redline』がノミネートを辞退し、賞の選考外として上映される『Genius Party Beyond』、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』、『ストレンヂア-無皇刃譚-』の3作品となっている。
 テレビシリーズ部門のノミネートには、『ソウルイーター 第1話』と『うちの3姉妹 第1話』がある。テレビシリーズはクール単位だと長編という見方にもなるが、1話単位だと30分以内の短編に相当することになる。

 短編部門には、長尾武奈氏の『チェーンソー・メイド』がノミネートしている。『チェーンソー・メイド』はスプラッター要素のあるクレイアニメーションであるが、作者の長尾氏が京都大学の学生という点も注目だ。
学生部門は松田美那子氏の『日まわり草』、奥田昌輝氏・小川雄太郎氏・大川原亮氏の『オーケストラ』である。松田氏は九州大学大学院在学中に『日まわり草』を制作している。この『日まわり草』はアナログのドローイングで表現されたアニメーションである。
 奥田氏らの『オーケストラ』は、東京国際アニメフェア2009の第8回東京アニメアワード公募部門でも入選していた。『オーケストラ』は、多摩美術大学在学中に制作されたもので、奥田氏らは東京藝術大学大学院に進学している。作風からも見てとれるが、この『オーケストラ』は、海外の映画祭を見据えて制作したということで、狙い通りとなるかどうか期待が集まる。
 アヌシー国際アニメーションフェスティバルは13日まで開催される。各賞の受賞結果は最終日の13日に発表される。
【真狩祐志】

アヌシー国際アニメーションフェスティバル /http://www.annecy.org/

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