フリーのCGクリエイターとして活躍中の青山敏之氏が『PROJECT-WIVERN』の制作から10周年の記念として自身のサイトで全編を公開した。 青山氏は1998年にフリーとなった後、これまで『イノセンス』や『機動戦士Zガンダム-星を継ぐ者-』等の劇場作品の他、多くのゲームやプロモーションビデオの制作に携わってきている。 この『PROJECT-WIVERN』は、同じくCGクリエイターとして活躍している北田清延氏と共作した大学の卒業制作作品である。現在改めて見直してみても、時の経過を感じさせない程である。 同作は3DCG制作ツールの1つであるLightWaveのユーザーを対象としたコンテスト「Wavy Award'97」で最優秀賞やPROJECT TEAM DoGA主催の第9回CGアニメコンテストで映像賞となっている。本作発表の前年1996年には第8回の同コンテストでダイジェスト版が佳作を受賞していたが、当時の上映会の観客が翌年の完成を待ち望んでいたのは言うまでもない。 また、この作品に影響を受けて3DCG制作を志した人は少なくなく、VHSの自主販売でも3000本以上という異例の売り上げとなった。 過去10年視野で個人制作全体の動向を捉えてみると、同時期のクリエイターには神風動画のメンバーとして活動を開始し、現在『FREEDOM』で監督をしている森田修平氏や、第9回CGアニメコンテストでグランプリを受賞して活動を本格化した『CATBLUE:DYNAMITE』のロマのフ比嘉氏等、有名どころが多い。 そして後半5年には真島理一郎氏『スキージャンプ・ペア』や新海誠氏『ほしのこえ』といった商業的にも突出したヒット作も誕生している。 一方で、2000年以降はコンテストが増加する一方で、制作ツールや作品のテイスト別等で情報が散逸して把握しづらい状況にあった。 それがここ1、2年の動画投稿サイト、例えばYouTubeやニコニコ動画への作品の集約も加わり、二次創作を含めて可視化されやすくなってきた。3DCGに関してはツールの廉価化・高機能化も後押ししてか再燃の兆しを見せているようにも思われる。そうした点からも、この『PROJECT-WIVERN』の公開はタイムリーでもある。【真狩祐志】PROJECT-WIVERN 青山敏之/http://www.ceres.dti.ne.jp/~wivern/
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