社団法人日本漫画家協会は、5月11日に第36回日本漫画家協会賞の大賞、優秀賞、特別賞、文部科学大臣賞の各賞を発表した。 日本漫画家協会賞の選考は、漫画文化の普及と漫画界の向上発展を目的に1972年より継続的行なわれている。 大賞はここ数年の流れと同じく2作品が選ばれた。砂川しげひささんの『タマちゃんとチビ丸』(星の環会刊)と『神聖喜劇』(幻冬舎刊)である。 『神聖喜劇』は大西巨人さんの同名の純文学をのぞゑのぶひさの作画と岩田和博さんの企画・脚色でマンガ化している。戦前の日本軍を舞台に、重厚な物語が展開する。作品は、10日に発表されたばかりの手塚治虫文化賞の新生賞も既に受賞している。これまでにあまり例のないダブル受賞となった。 砂川しげひささんの『タマちゃんとチビ丸』は、朝日新聞に連載していた『ワガハイ』をベースにWebで連載された4コママンガである。 優秀賞には大食い勝負をテーマにした料理マンガで、土山しげるさんの『喰いしん坊!』(文芸社刊)が選ばれた。特別賞には昭和41年に開館し、日本のマンガ博物館として長い歴史を持つさいたま市立漫画会館とはまのゆかさんの『2007 mamechan calendar』が選ばれた。 また個別の作品でなく、これまでの業績をもとに個人に与えられる文部科学大臣賞には、『ドカベン』や『あぶさん』といった野球マンガで幅広い層から人気を集める水島新司さんが受賞した。 日本漫画家協会はマンガ家自身が組織する社団法人で、およそ500名からなるマンガ家の会員から構成される。現在の理事長は「それいけ!アンパンマン」などで知られるやなせたかしさんが務めている。 このため審査委員も、やなせたかしさんをはじめ秋竜山さん、花村えい子さん、里中満智子さん、バロン吉元さん、所ゆきよしさん、牧野和子さん、西田淑子さん、松谷孝征さん、西村宗さん、モンキー・パンチさんらで、そのほとんどがベテランのマンガ家である。 マンガに関する賞は数多くあるが、日本漫画協会賞はマンガ家選ぶマンガ賞という点でほかの多くと異なる特徴を持っている。第36回日本漫画協会賞大賞■ 『神聖喜劇』 原作:大西巨人、作画:のぞゑのぶひさ、企画・脚色:岩田和博(幻冬舎)■ 『タマちゃんとチビ丸』 砂川しげひさ(星の環会)優秀賞■ 『喰いしん坊!』 土山しげる(日本文芸社)特別賞■ 『2007 mamechan calendar』 はまのゆか (自費出版)■ さいたま市立漫画会館 文部科学大臣賞■ 水島新司社団法人日本漫画家協会 /http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/
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