北米のマンガ出版を行なうVIZメディアは、今年9月から12月の4ヶ月間に、『NARUTO』の新刊単行本(グラフィックノベル)を月3冊のペースで発売する。 9月に16巻から18巻、10月に19巻から21巻、11月に22巻から24巻、12月に25巻から27巻が発売され、4ヶ月間で12冊というこれまでのマンガ単行本にはなかったハイピッチの発売となる。今年は既に13巻が発売済みで、7月までに14巻、15巻が発売される。このため年間では、15巻がマーケットに送り出される。 既に単独作品で北米のマンガ市場のかなりの市場シェアを占めている『NARUTO』は、2007年にさらにそのシェアを伸ばすと見込まれる。 VIZメディアによれば、今回の集中的なリリースは日本の発売ペースからの大きな遅れを取り戻し、『NARUTO』のストーリー展開の変化を知って貰うためである。『NARUTO』は日本では37巻まで発売されており、北米の既刊本の巻数は大幅に遅れを取っている。 またVIZメディアはリリースでは触れていないが、『NARUTO』のブームが大きくなっているこの時期により多くのマンガを発売し機会損失を避ける意図もあると思われる。今年の後半にかけてVIZメディアは、マンガ単行本以外にも、ピクチャーブックや小説など様々な、『NARUTO』関連本を相次いで発売する。 しかし、大量発売に対する懸念もある。それは北米の『NARUTO』1冊あたりの販売単価が7.95ドル(1000円程度)と、日本と較べて高くなっていることである。4ヶ月に12冊というハイピッチの発売ペースに、可処分所得の少ない子供のファンの財布がついて来られない可能性がある。 今回の集中発売の時期が9月から12月なのは、こうした事情を考慮して子供向けの商品販売需要が拡大するクリスマスシーズンとも重ねてきたと考えられる。いずれにしても新刊が発売されれば必ずベストセラーにランキングする作品の集中発売は、ビジネス的にも大きな注目を集めるだろう。 また、今回の発売にも関わらず、今年末でも日本とのリリースのタイムラグは10数巻分、日本のペースで2年程度残る。 来年も同じペースで刊行すれば、さらにタイムラグは縮まるが、来年以降のVIZメディアの予定は不明である。 同社はアニメ作品では『DEATH NOTE』のライセンス獲得に見られるように、日本のリリースと北米のリリースのタイムラグを縮める方針となっている。また、アニメDVDの発売については、VIZメディアだけでなく、米国の業界全体が日本の公開から米国でのリリースまでの期間を短くする方向に進んでいる。 これまでのところマンガについては、そうした動きは見られなかった。一方で、『NARUTO』と並ぶ北米の人気マンガである『フルーツバスケット』は、発売元のTOYOPOPが最終巻に向けて単行本の販売ペースを落とす対照的な動きとなっている。 今回の『NARUTOI』の試みが、そうしたアニメ業界での変化の波を意識したものかどうかも気になる点である。 VIZメディア /http://www.viz.com/当サイトの関連記事/「フルーツバスケット」 日本マンガ初 米国週間ベストセラー15位
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