今年で61回目を迎える毎日映画コンクールのアニメーション映画賞に細田守監督の『時をかける少女』が選らばれた。『時をかける少女』は小規模な上映から口コミで人気を広げた作品で、昨年のアニメーション映画界で広く注目を集めていた。 今回のアニメーション映画賞は、昨年のアニメーション神戸作品賞・劇場部門や文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などに続く大型受賞である。これまでのところ国内の主要なアニメーション映画関連の賞をほとんど受賞する状態になっている。 また、同じ毎日映画コンクールで1962年にスタートした国内で最も歴史の古いアニメーション賞の大藤信郎賞には、マイケル・アリアス監督の『鉄コン筋クリート』が選ばれた。大藤賞を国外の監督が受賞するのは1999年のアレクサンドル・ペドロフ氏『老人と海』以来2度目のケースである。 『鉄コン筋クリート』は、現在、国内で上映中だが、国内外での映画祭に広く出品されるなどこちらも評価が高い。作品は個性的なアニメ制作で知られているスタジオ4℃の制作で、4℃の作品では2004年に長編映画『マインドゲーム』がやはり大藤賞を受賞している。長編映画で立て続けに、毎日映画コンクールを受賞したことになる。芸術性の高さを目指す4℃の狙い通りといえるだろう。 大藤賞のこれまでの受賞者には、手塚治虫氏や宮崎駿氏、今敏氏、大友克洋氏らがいる。 毎日映画コンクールにはアニメーション映画賞と大藤賞のふたつがあるが、一般的にはアニメーション映画賞はエンターテイメント性を重視し、大藤賞は芸術性と革新性を重視していると言われる。 アニメーション映画賞のこれまでの受賞者には、宮崎駿氏、押井守氏、大友克洋氏、原恵一氏、今敏氏、沖浦啓之氏らがいる。両賞の選定にはその時々で揺れもあるが、今年は定石どおりの受賞作といえそうだ。 今年のアニメーション部門の審査員は、かわなかのぶひろ氏(映像作家)、切通理氏(評論家)、鈴木伸一氏(アニメ作家)、出崎統氏(アニメ監督)、三留まゆみ氏(映画評論家)の5人だった。 このほか映画ファンの投票によって選ばれる映画ファン賞は、人気マンガから実写映画化された『デスノート』が受賞をしている。 また、各賞の表彰式は2月6日に渋谷のセルリアンタワー行なわれる。/毎日映画コンクール公式サイト /時をかける少女公式サイト/鉄コン筋クリート公式サイト
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